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新生umatiの進む道――工場内のあらゆる機械装置の共通インタフェースへいまさら聞けないumati入門(4)(4/5 ページ)

工作機械の共通インタフェースとして注目を集める「umati」について紹介してきた本連載だが、今回はこの「umati」についての大きな変化があったため、その内容について解説したい。

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umati推進組織の役割は?

 規格策定はOPC Foundationの中で進められることになったが、それではこれまでのumatiの推進組織は一体どうなるのであろうか。今後は「規格を広く普及させるマーケティング」および「ユーザーがプラグ&プレイで規格を正しく簡単に使えるようにする準備とサポート」がumatiの推進組織の役割とされている。おさらいも兼ねて(図13)にて詳しく見ていきたい。

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図13 umatiの推進組織の今後の役割(クリックで拡大)出典:VDW掲載図を基に筆者が作成

 まず、規格にはOPC UAが採用されており、OPC UAが備える通信仕様とさまざまな機能が活用されている(1)。こうして策定されたのがCompanion Specification(コンパニオン仕様)であり、例えば工作機械向けの場合にはVDMAおよびVDWにより規格策定が行われている(2)。この規格を活用するのがumatiの推進組織の役割である。世界中の機械メーカーとユーザーに対して、umatiのブランド名で普及を促進していく(3)。マーケティングや広報活動を行ったり、展示会でのショーケースを企画したりといった内容だ。

 また、ユーザーがプラグ&プレイで規格を使えるようにサポートすることも実施していく(4)。具体的な活動の詳細はまだ明らかにされてはいないが、umatiの規格を内包したフレームワークあるいはサンプルモジュールを提供することにより、工作機械や上位のシステムにおいて規格を正しく簡単に実装できるようにするといったことも考えられるだろう。

 冒頭で解説したようにumatiは工作機械だけでなく工場内の全ての機器を対象とするブランド名となった。工作機械以外の業界に対しては、マーケティングもプラグ&プレイの取り組みも、既存のマーケティング活動との整合を取りながら徐々に推進していくことになるだろう。

 工作機械向けとしては、2020年9月に開催が予定されていた国際金属加工見本市「AMB2020」にて次のショーケースが計画されていた。しかし、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大の影響から展示会が中止となり、代わりに同時期にバーチャルデモンストレーションの実施を検討しているという。ここ数カ月はショーケースも実施が困難であったところでもあり、2020年後半以降の今後の活動に期待したい(図14)。

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図14 umatiマーケティングの今後の活動予定(クリックで拡大)出典:VDW「umati-connecting the world of machinery

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