“日本の縮図”埼玉を舞台に社会課題解決型オープンイノベーションを促進:製造マネジメントニュース(1/2 ページ)
埼玉県、埼玉県産業振興公社、電子情報技術産業協会(JEITA)は、テクノロジーを活用して社会課題の解決を目指す「埼玉県社会課題解決型オープンイノベーション支援事業」のキックオフ記者説明会をオンラインで開催した。
埼玉県、埼玉県産業振興公社、電子情報技術産業協会(JEITA)は2020年7月20日、テクノロジーを活用して社会課題の解決を目指す「埼玉県社会課題解決型オープンイノベーション支援事業」のキックオフ記者説明会をオンラインで開催した。
埼玉県社会課題解決型オープンイノベーション支援事業は、埼玉県ならびに埼玉県産業振興公社が主体となり、ニューノーマル時代に向けて、社会課題の解決を目指すオープンイノベーションを推進し、先端技術を活用した革新的な新製品/新サービスの創出、社会実装を目指す取り組みである。
写真左から、JEITA 理事/事務局長の井上治氏、ステンレスアート共栄 代表取締役社長の永友義浩氏、埼玉県 産業労働部 先端産業課長の斉藤豊氏、avatarin 代表取締役CEOの深堀昂氏、RDS 代表取締役社長の杉原行里氏、埼玉県産業振興公社 新産業振興部長の島田守氏 [クリックで拡大]
社会課題の解決と成長産業の創出を目指す
埼玉県 産業労働部 先端産業課長の斉藤豊氏は「埼玉県では平成26年度から『先端産業創造プロジェクト』をスタートさせ、成長産業の創出を目指し、先端技術を生かした製品開発を支援してきた。今回の埼玉県社会課題解決型オープンイノベーション支援事業では、単なるモノづくり、試作で終わらせるのではなく、先端技術を積極的に社会実装することで、喫緊の社会課題の解決を目指すとともに、成長産業の創出、さらには豊かな社会、豊かな暮らしの実現につなげていきたい」と同事業が目指す方向性について語る。
埼玉県社会課題解決型オープンイノベーション支援事業では、今後、埼玉県が全国トップクラスのスピードで進むといわれる「高齢化」、そして、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大を背景とする「新しい生活様式(への適用)」を解決すべき社会課題として掲げ、これからの社会や暮らしの充実に資すると思われる3つのワーキンググループ(以下、WG)を設定。また、WGの活動をサポートし、社会実装を加速させるための存在として、JEITAを埼玉県社会課題解決型オープンイノベーション支援事業のプロジェクトマネジャーに起用した。
斉藤氏は「今回の支援事業を通じて、埼玉県の新たな取り組みを多くの県内外の企業に広く発信していきたい。埼玉県は人口の集中する都市部から自然豊かな山間部まで幅広く、日本の縮図ともいえる多彩な地域を有している。今後、この埼玉県を舞台に多様なオープンイノベーションの取り組みが活発に行われていく。そのような機運を今回の支援事業をきっかけに作り出していきたい」と意気込みを語る。
支援事業の実行スキーム
社会課題の解決に挑戦する3つのWGへの参加企業は、公募により決定。2019年度末からWG3枠分のテーマを募集し、avatarin、ステンレスアート共栄、RDSの3社から応募があり、それぞれのテーマを採択した。また、各WGのサポート役は、埼玉県、埼玉県産業振興公社、JEITAが務める。
「埼玉県は実証フィールドの提供や関係機関との調整などを担い、埼玉県産業振興公社は県内企業とのマッチングや技術的な助言などを行う。そして、JEITAは埼玉県社会課題解決型オープンイノベーション支援事業のプロジェクトマネジャーとして参画し、推進役を担うとともに、メディアを通じた広報/PR活動なども支援する。3者が協力し、3つのWGを伴走支援することで、革新的な製品/サービスの創出および社会実装を目指す」(埼玉県産業振興公社 新産業振興部長の島田守氏)
なお、JEITAの参画も公募により決定したもので、JEITAが地方自治体の技術活用支援事業に参画するのは今回が初めてだという。JEITA 理事/事務局長の井上治氏は「『Society 5.0』の実現に向けて取り組んできた『JEITA共創プログラム』の一環として、そしてニューノーマル時代に向けて、JEITAは暮らしに密接する地域社会との連携強化の必要性を強く感じていた。今回、地方自治体による技術活用支援事業として埼玉県と初めて連携し、テクノロジーと暮らしの融合、社会浸透を進めていきたい考えだ」と述べる。
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