工程管理における「管理方式」「機能」「生産日程計画」とは:工程管理は、あらゆる現場問題を解決する(2)(2/5 ページ)
工場における生産管理の根幹となる「工程管理」について解説する本連載。第2回は、工程管理における「管理方式」「機能」「生産日程計画」について説明する。
2.材料・部品類の価格や使用量などの管理方式変更による生産効率化
一定の期間、継続して使用される共通部品や材料は、生産指示によって必要量をその都度、手配するのではなく、入手する上で最も効果的な単位で手配する方法が取られます。この方式は、以下に述べるようにかなり広い範囲で応用されており、それだけに、運用に当たっては目的や損失を十分に吟味した上で、効果的な扱い方をすることが大切です。中量生産品、量産品の共通部品では、入手した現品を現場常備品として、直接製造部門に備え付けておき、組立指示が出されると、それに伴って引き当てして使用するような方法で応用されています。
また、粉体や液体、線材のようなものでは、受け払いの単位と、使用単位との間にかなりの開きがあることが多く発生します。小さな単位で使用される場合や、逆にモールド材料のように、関封したら一気に使い切ってしまわなければ変質するようなものでは、製作単位となかなか一致しないので、あらかじめ受け払い単位の量を現場材料として備え付けて、加工済み扱いにしておいて、順次、製番へ振り替えて回収していく方法をとる場合もあります。
この他、工程管理の効率化を目的として、材料や部品の備え付けを行う場合があります。主に、少量ずつの使用量で多くの部品や製品に使用される素材や部品について小口材料として管理されます。これらは、ほとんどの場合、中間に小口勘定口座を設けて受け払いを行い、製品の完成に連動させて小口材料費として予算回収が行われます。通常、この扱いは小口材料と呼ばれます。さらには、工場の汎用品や特殊品で資材部門が一括購入して資材倉庫の在庫品としておく資材常備品があります。
これらの管理方式と部品の位置付けを図4に示しました。どのような管理方式を採用しても「在庫管理費」という損金が発生しますので、できればゼロがふさわしいのですが、その金額をできるだけ最少となるような管理方式を考える努力を惜しまないようにしてほしいと思います。そういう意味では“最適在庫量”というものはないと考えるべきです。
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