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設計者はどんな視点で設計者CAEを進めていくべきか【ケース1:構造物の強度解析】実例で学ぶステップアップ設計者CAE(1)(2/3 ページ)

初心者を対象に、ステップアップで「設計者CAE」の実践的なアプローチを学ぶ連載。詳細設計過程における解析事例を題材に、その解析内容と解析結果をどう判断し、設計パラメータに反映するかについて、流れに沿って解説する。第1回は「構造物の強度解析」について取り上げる。

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解析(CAE)とは

 そもそも「CAE」とは何でしょうか。筆者は「既知(入力データ)から、未知(出力データ)を得る」というとても単純なシステムだと考えます。ハイエンドなCAEになると、計算に必要な個別の理論式を入力することもあるようですが、この理論式も「既知のもの」といえるのではないでしょうか。

 構造解析を例にすると、

  • 既知とは
    • 解析対象の形
    • 解析対象の機械的な特性(比重、ヤング率、ポアソン比、熱伝導率などの値)
    • 拘束条件
    • 設計に対する要求仕様(荷重など)

  • 未知とは
    • 変形
    • ひずみ
    • 応力
    • 安全率

となります。

 そして、得られた結果から、設計仕様を満たしているかどうかを検証するのが、設計者CAEです。これは「設計パラメータを決める」「設計の見積もり」に相等します。重要なのは「設計者CAEの成果物は、設計パラメータを決めることであり、解析結果は成果物を得るための過程でしかない」ということです。

 本連載は、詳細設計過程における解析案件を基に、その解析内容と解析結果をどう判断し、設計パラメータに反映するか、という流れに沿って解説を進めていきます。

 まずは、最も多く解析依頼のある構造解析について、事例を基に、解析導入期から解説を始めます。

ケース1:構造物の強度解析

課題

 装置でよく使用される溶接構造のスタンドがあります。スタンドには補強用のリブが設けられています。装置価格の競争上の問題から、コストダウンが目下の課題です。まずは品質への影響がないであろう部分(※1)に対し、剛性上、適した構造であるかを解析し、検証することにしました。

※1:従来装置の品質への影響として、構造変更、材料変更は大きな要因となることから、装置主要機能で品質が既に確保できている部分に対しての形状変更は望ましくありません。

  • 解析対象モデル
    • モニター台
    • 形状
図4 解析対象
図4 解析対象 [クリックで拡大]
  • 既知(入力データ)
    • 材料:
      一般構造用角型鋼管STKR(□50×3.2t角型鋼管部)
      SS400(平板部)およびリブ部分
      ※厳密にいえば、上記鋼材の機械特性は異なりますが、ほぼ同じと判断して、解析を行うことにしました。
    • 拘束条件:架台にネジ止め(M6)設置のため、ネジキリ穴部を固定
    • 荷重:モニター重量10[kg](モニター接地面に対し均等に合計10[kg]荷重設定)

  • 解析/評価の考え方
    • 解析タイプ:静解析
      モニター台の機能部品であり、動的荷重の評価を行う必要はないと考えました。対象部品は溶接構造を持つので、溶接部分(ビード)を含めてのモデル化と解析を行うことも考えましたが、溶接部分は全周溶接が施されていて、過去の製作実績でも溶接溶け込み状態による不良の発生が生じることはなかったため、次のように考えました。
      • 溶接部の評価を行うということではなく、スタンド部品全体の評価を行う
      • リブ有無の相対評価を行う
      • 応力集中部の評価を考慮する

  • 解析結果の評価内容
    • 変位
    • 応力
    • ひずみ

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