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製造業のオープン化とリモート化、CADDiが提案するwithコロナ時代の新戦略オンラインセミナーレポート(1/4 ページ)

キャディは、オンラインセミナー「withコロナ時代の製造業 たった2つの新戦略」を開催。今後数年間は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響が続くといわれる中、製造業の経営をどのように舵取りしていくべきかについて、同社 代表取締役 加藤勇志郎氏が考えを述べた。

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 キャディは2020年5月13日、オンラインセミナー「withコロナ時代の製造業 たった2つの新戦略」を開催。今後数年間は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響が続くといわれる中、製造業の経営をどのように舵取りしていくべきかについて、同社 代表取締役 加藤勇志郎氏が考えを述べた。

製造業は新型コロナとどう向き合っていくべきか

セミナータイトル
キャディは「withコロナ時代の製造業 たった2つの新戦略」と題し、オンラインセミナーを開催した ※出典:キャディ [クリックで拡大]

 冒頭、加藤氏は「withコロナ」と題した背景について、「COVID-19の終息後にどう備えるかという『アフターコロナ』の考え方が一般的ではあるが、完全な終息には数年を要するといわれており、遅い場合は10年以上かかるとの予測も出ている。そういう意味で終息のタイミングは不透明であるといえる。すぐに終わるものとしてではなく、COVID-19と向き合うことを前提に考えて行かなければならない。また、将来的にCOVID-19以外の感染症が発生することも考えられるため、感染症の発生リスクも考慮した経営戦略が必要になってくる」と述べる。

 実際、COVID-19の感染拡大による世界経済の損失は、2008年のリーマンショック以上といわれている。また、資金調達環境の急激な悪化も懸念されており、元の経済水準に戻るまでには多大な期間を要すると見られている。「そういう意味でも、今後は感染症の発生リスクを前提に経営戦略を作らなければならない。構えているだけでどうにかなるものではない」と加藤氏は警鐘を鳴らす。

 特に、製造業の場合は「サプライチェーンの断絶を見据えた、抜本的な体制変更が必要だと考えられる」(加藤氏)。既に今回のCOVID-19の影響でサプライチェーンに支障を来したケースも多く見られ、大手を中心に調達先や生産拠点の分散といった対策が進みつつある。こうした状況を踏まえ、加藤氏は「顧客とサプライヤーの分散および自社製造体制の分散が必要だ」と強く訴える。

顧客とサプライヤーの分散および自社製造体制の分散の必要性について
顧客とサプライヤーの分散および自社製造体制の分散の必要性について ※出典:キャディ [クリックで拡大]

 例えば、自社(例えば、装置メーカー)と付き合いのある一次外注先が感染、倒産などした場合、納期遅延や調達の一時的な停止が考えられる。そして、感染症の蔓延下においては、そうした事態は断続的に起こり続け、一次外注先だけでなく、その先の外注先にまで影響が広がっていく恐れがある。また、感染、倒産だけでなく、企業活動の自粛要請もサプライチェーンに影響を及ぼす可能性がある。こうしたリスクは製造側だけの話でなく、販売側も同様であるため、「分散に向けた戦略が必要となってくる」と加藤氏は語る。

 その他にも加藤氏は、自社従業員の感染時における対処療法的なBCP(事業継続計画)の策定、そして、バリューチェーンへの影響範囲とリスクを事前に想定しておくことも、取り組むべき事項として紹介。また、withコロナ時代において、さまざまな変化が求められる中、事業存続に関わる重要課題として、「製造体制の確保」「調達・販売先の確保」「情報アクセス・コミュニケーション」「コスト削減・資金確保」の4つのポイントを挙げ、それらの実現・解決策として次の2つのアプローチを示した(詳細は次ページ)。

自社の従業員が感染したら?バリューチェーンへの影響 (左)自社の従業員が感染したら?/(右)バリューチェーンへの影響について ※出典:キャディ [クリックで拡大]

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