マツダは研究開発費や設備投資を緩めず、コロナ後の変化へ機敏に対応:製造マネジメントニュース(1/2 ページ)
マツダは2020年5月14日、2020年3月期(2019年4月〜2020年3月)の通期決算を発表した。売上高は前期比3.8%減の3兆4302億円、営業利益が同47.0%減の436億円、当期純利益が同80.8%減の121億円となった。
マツダは2020年5月14日、2020年3月期(2019年4月〜2020年3月)の通期決算を発表した。売上高は前期比3.8%減の3兆4302億円、営業利益が同47.0%減の436億円、当期純利益が同80.8%減の121億円となった。グローバルでの販売台数は、前期比9%減の141万9000台だった。2020年2月に発表した2020年3月期の業績予想からは、売上高が698億円減、営業利益が164億円減、当期純利益が309億円減とそれぞれ減少した。
営業利益は前期比で387億円の悪化となった。自社ではコントロールできない外部影響による減益要因は、為替の影響で約700億円、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で約100億円、材料費の値上がりで約100億円で、合わせて約900億円あった。一方で、販売費用の抑制や台数構成の改善、原価改善で500億円の増益要因を生み出した。「米国の新工場や次世代技術への投資も含めて500億円の改善は成果だったといえる。インセンティブに頼らない売り方で台数構成を改善し、新型コロナによる台数減を吸収するほどのプラスがあった。ただ、販売台数が減少したので、販売の質と量を両立できなかったのは今後の課題だ」(マツダ)。
2021年3月期(2020年4月〜2021年3月)通期の業績見通しについては、COVID-19による影響を合理的に算定することが困難で未定としている。足元の市場環境について、「いつから回復するかは明確には言えない。今後経済活動が戻っても感染の第2波がないとも限らない。先行き不透明な地域も多い」(マツダ)とコメントした。販売台数の多い米国については、米国は店舗の営業が再開し、販売が回復トレンドにあるという。また、米国は2020年1〜2月は過去20年で最高レベルの売り上げで好調だった。
マツダは販売減を踏まえて在庫水準を適正化するため、2020年3月末から5月末まで約13万台分の稼働調整を実施している。2020年3月の時点では、前年同期よりも在庫が4万5000台多かった。6月についても「現時点では生産をガンガン回復させる段階ではない」(マツダ)とみている。まずは販売店の在庫を小売で減らして適正な水準とし、さらに海外の「ポート在庫」を適正化したあとで、工場が通常の稼働に戻る流れとなる。「なるべく早く通常稼働に戻したいが、規律を持って進めていく」(マツダ)。
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