群衆の密集度をAIが測定、新型コロナ対策につながる映像解析ソリューション:人工知能ニュース
Ridge-iはAIを活用した人物検出エンジンなどで群衆の密集度を測定する映像解析AIソリューションを開発した。新型コロナウイルス感染症の感染拡大抑止策としての活用が見込まれる。
Ridge-i(リッジアイ)は2020年5月1日、AI(人工知能)を活用した人物検出エンジンなどで映像をリアルタイム解析し、群衆の密集度や密接度を測定する映像解析AIソリューションを開発したと発表した。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大防止策などの用途で活用が見込まれる。同年5月から法人や自治体を対象に同ソリューションの導入申し込みを受付開始する予定。価格はオープン。
現在、COVID-19の感染拡大を抑止するためには、人物間のソーシャルディスタンス(社会的距離)を十分に確保して「密閉空間/密集場所/密接場面」、いわゆる「3密」状態を回避することが重要だと指摘されている。今回発表された映像解析AIソリューションを活用して人の密集度をリアルタイムで把握できれば、ソーシャルディスタンスを確保するための施策を効果的に進められる可能性がある。また映像データを活用して人口変動を分析する解析手法のため、携帯端末の位置情報を利用した分析手法と比較すると、公共施設やイベント会場、商業施設、オフィスビルなどの屋内空間でも高精度で分析しやすい。
映像解析AIソリューションには「密接アラート機能」「密集度推定機能」「時系列通行者測定機能」の3つの主要機能がある。
密接アラート機能はRidge-iがこれまで蓄積してきた知見を基に開発した人物検出エンジンを活用して、人物間の距離を正確に測定、過度な接近を知らせるという機能だ。あらかじめ設定した距離を超えて人同士が接近すると、即座にアラート機能で知らせる。主に、店舗のレジ前や病院待合室、ロビー、オフィス会議室といった場所での活用を想定する。
密集度推定機能は混雑したエリアをリアルタイムで発見する機能で、時系列通行者測定機能は時間または1日単位での通行者数を表示する機能だ。いずれも群衆の人数を計測するクラウドカウンティング技術を活用しており、人の密集地帯をヒートマップで可視化する他、群衆の人数をカウントする機能、カウントした人数をグラフで可視化する機能も搭載する。混雑度を正確に把握する必要性がある公共施設、商業施設、イベント会場などでの活用を想定する。
また、Ridge-iは2020年5月1日からクラウドカウンティング技術を用いた「群衆人数のカウンティング」のデモ映像をYouTube上で一般公開中だ。映像内容は「Adobe Stock」が商用提供する動画を用いて、既存のカメラ映像から人の密集度を推定する技術のデモとなっている。また同年5月中旬からは、静岡県西部地域の情報をYouTube上で発信する「ZAZAマガジンチャンネル」がライブ配信する静岡県浜松市鍛冶町通りの映像から、人の密集度と合計人数の日時変化を推定するデモを公開する予定だという。
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