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ロケット開発のため、エンジニアを受け入れる出向プログラムを開始:キャリアニュース
インターステラテクノロジズは、軌道投入ロケット「ZERO」の開発を加速させるため、企業や研究機関などから専門的知識を持ったエンジニア人材を受け入れる「助っ人エンジニア制度」を開始した。
インターステラテクノロジズ(IST)は2020年4月2日、企業や大学、研究機関などからロケット開発のエンジニア人材を受け入れる「助っ人エンジニア制度」について発表した。
助っ人エンジニア制度は、航空宇宙業界を含む、さまざまなものづくり業界の企業や研究機関などに所属するエンジニアが、同社に一定期間出向し、同社社員と創意工夫をしながらロケットを研究、開発する制度だ。
軌道投入ロケット「ZERO」の開発を加速
ISTは、観測ロケット「MOMO」と超小型人工衛星を宇宙空間に運搬する軌道投入ロケット「ZERO」を開発している。また、ロケット開発スタートアップを応援する法人サポーターズクラブ「みんなのロケットパートナーズ(みんロケ)」を設立、運営し、企業や研究機関との共同開発を進めてきた。
今回、軌道投入ロケット「ZERO」の開発を加速させるため、助っ人エンジニア制度を開始し、企業や団体から積極的に、各領域の専門的知識を持った人材を受け入れることとなった。
ISTは、ロケット研究開発の加速と各種業界のノウハウの獲得を目的に、人材育成の機会を提供する。企業、団体はISTに社員を出向させることで、人材育成や研究者の活躍促進につなげられる。なお、同年4月1日から、トヨタ自動車の研究開発エンジニア2人が同社に出向している。
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