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「データを生かす力」は既に「現場力」の1つ、コニカミノルタのモノづくり革新インターネプコン ジャパン2020(1/2 ページ)

エレクトロニクス製造および実装技術の展示会である「インターネプコン ジャパン2020」(2020年1月15〜17日、東京ビッグサイト)の特別講演に、コニカミノルタ執行役生産本部長の竹本充生氏が登壇し、「デジタル化と現場力の融合による新たなモノづくり革新への挑戦」をテーマに講演した。

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 エレクトロニクス製造および実装技術の展示会である「インターネプコン ジャパン2020」(2020年1月15〜17日、東京ビッグサイト)の特別講演に、コニカミノルタ 執行役 生産本部長の竹本充生氏が登壇し、「デジタル化と現場力の融合による新たなモノづくり革新への挑戦」をテーマに講演した。

人や場所の変動に依存しないモノづくりを

 コニカミノルタでは、IoT(モノのインターネット)技術の進展によるデジタル化が加速する中、モノづくりの変革に積極的に取り組んでいる。同社の事業はビジネスソリューション(複合機やプリンタ)、プロダクションプリント&グラフィック(商業印刷)、産業用光学システム、機能材料、ヘルスケアなど5つの領域で展開している。そのベースには4つのコア技術(材料、光学、微細加工、画像)がある。

 製品の製造形態は、大きく分けて材料系(プラント系)、デバイス系、組み立て系の3つに分かれる。材料系は、プラントによる国内生産を行っている。一方、デバイス系は国内での技術確立と生産、海外自社拠点での生産を行っている。組み立て系は、海外自社拠点での生産を行う他、付加価値のあまり高くない製品については、生産委託やODM(開発生産委託)の活用を進めており、それぞれの形態によって異なる特徴を持つ。

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コニカミノルタ 執行役 生産本部長の竹本充生氏

 コニカミノルタの生産拠点は、日本に16拠点、中国に5拠点、マレーシア、米国、フランスで各1拠点の、合計24拠点を展開している。「基本的には高付加価値生産は国内で行っており、組み立て系など労働集約型は中国・アジアの拠点が担当する。消耗品の供給はリードタイムの短縮や在庫削減のために消費地に近い場所で行う」(竹本氏)という。

 現在のモノづくり環境は、少子高齢化、人件費上昇、政策の変化、ライフスタイルの変化など、厳しさが増している状況がある。一方で従来の延長線上では大きな生産性改善が得られない状況になりつつある。これらの要求を満たすため、さらなる低賃金地域への生産移転を繰り返すと、技術力が低下してしまうという懸念もある。

 竹本氏は「何もしないままだと製品力、サービス力が低下し、顧客から必要とされなくなる危機感がある。こうした環境や制約を打破するため、人や場所の変動に依存しないモノづくりをコンセプトとし、これを実現することを目指した」とモノづくりの方向性を示す。

 具体的に、人への依存低減については「人手依存から、標準化や数値化を進めることで、個人の力量だけに頼らない生産方式へと転換する」(竹本氏)。同じく特定地域・拠点への生産依存から消費に合わせたグローバル生産へと移行し「変動を分散吸収し、ロスを最小化する生産形態への変更を図っている」と竹本氏は述べる。これらを実現するには、これまで培ってきた現場力とデジタルマニュファクチャリングの融合が必要となる。

人の育成と品質がポイント

 製造現場における現場力は、技術者の経験と技からくる技能を基に、「材料」「光学」「微細加工」「画像」の4つのコア技術により生み出してきた。生産技術開発、技能の伝承など、これらの現状をデータとして見える化して活用することで、さらに現場力を高めることが可能となる。

 例えば、組み立て工程での現場力向上を目指すため、工場では現場作業者向けに五感を磨く実践トレーニングを展開し、「気付き力」の向上に取り組んでいる。具体的な取り組みとしてライン横に道場を設置し、難作業のトレーニングを行う「難作業道場」や五感で作業者が量産時に発見した異常を検知する「異常検知道場」などがある。竹本氏は「基本的なことではあるが、これらのトレーニングが現場力を養うには重要だ」と強調する。

 また、こうした現場力を浸透させる施策も推進中だ。生産現場で地道な改善活動を繰り返すことで、QC(品質管理)やIE(インダストリアルエンジニアリング)手法が浸透。効率的な操業を追求することで、品質を頂点にしたQCD(品質、コスト、納期)向上を目指している。「品質を第一に考える。品質が高まるとロスが減少する。ロスが減ると時間が短縮されたり在庫が減ったりする。そうなると原価が下がる。だから品質が一丁目一番地となることを念頭に置いて現場での取り組みを進めている」(竹本氏)。

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