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機能をとことんそぎ落とした“キヤノンらしくない”デジカメ「iNSPiC REC」デザインの力(2/4 ページ)

キヤノンから“キヤノンらしくない”デジカメ「iNSPiC REC」が発売された。シンプル過ぎるその見た目はトイカメラのようにも見えるが、このカタチになったのには理由がある。製品企画担当者に「iNSPiC REC」の開発背景と狙いを聞いた。

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機能をひたすらそぎ落とす、遊びを邪魔しない「アソビカメラ」

 あえて、20〜30代の若年層と女性を狙いにいったiNSPiC REC。当然ながら、求められる機能要件やそもそもの想定利用シーンは、従来のコンデジのそれとは大きく異なる。

カラーバリエーションも豊富
カラーバリエーションも豊富 [クリックで拡大]

 まず、キヤノンが注目したのはターゲット層である若者や女性の多くが、写真を「コミュニケーションツール」として捉えているという点だ。極端な話、画質そのものよりも、すぐにシーンを切り出して、SNSにアップできればよく、「取り出してすぐに撮影できること」の方が重要視される。

 ただ、その点だけに着目してしまうと、スマホでも十分ともいえる。そこでさらに重視したのが「気軽に使えること」だ。読者の皆さんも経験があると思うが、スマホだと落下による破損や水没などのリスクが高く、屋外で利用する際は特に取り扱いに気を使う。そうかといって、もたもたしていると、シャッターチャンスを逃してしまう……。近年のスマホは非常に高額でもあるため、気軽さ、手軽さの面で課題があるといえる。キヤノンはここに注目したのだ。

 もっと言うと、スマホだと撮影までのプロセスについても改善の余地がある。スマホをカバンから取り出して、カメラアプリを起動して、撮影するという一連のプロセスがまどろっこしく感じることもある。

 今、この瞬間を、すぐに撮りたい――。

 そうしたニーズをかなえ、遊びながらでも撮れる、遊んでいるその状況を邪魔しないで撮れるというコンセプトを軸に開発したのがiNSPiC RECである。カラビナを組み込んだ筐体、そして、製品のキャッチコピーに「アソビカメラ」と冠しているのは、こうした思いが込められているからだ。

取材に応じてくれた方々
取材に応じてくれた方々。左からキヤノン イメージコミュニケーション事業本部 ICB事業統括部門 課長代理の源太裕介氏、同 部長の加藤寛人氏、キヤノンマーケティングジャパン コンスーマビジネスユニット コンスーマ商品企画本部 浅葉森氏、同 課長代理の阿部俊介氏

 また、繰り返しになるがiNSPiC RECのターゲット層は、過去にキヤノンが獲得してきたユーザー層と大きく異なるため、20〜30代の若年層や女性に見合った価格の実現と、上記コンセプトを実現するシンプルさの追求が欠かせなかった。そのため、「従来のカメラ開発では高画質を求めるものが多くありましたが、iNSPiC RECでは『写真を撮る楽しさ』をどうしたら実現できるかを最優先に考え、機能をできるだけシンプルにそぎ落としていくことを目指しました」と加藤氏は述べる。

 そこから浮き彫りになってきた、「持ち歩きやすく、小型である」「堅牢性を高め、防水にも対応する」「写真をプリントするというよりもスマホの画面で楽しむ」「何が撮れているか分からないという楽しさの提供」といった厳選された要件を、コンセプトデザインに落とし込んでいった。iNSPiC RECについても、従来の同社カメラをデザインしてきたデザイナーが担当。カラビナの採用も当初から決まっていたとか。

フロントのパネルは交換可能
フロントのパネルは交換可能。写真下はキヤノンイーグルスのチームマスコット「カノンちゃん」仕様のパネル [クリックで拡大]

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