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革新的な企業トップ100で日本は2位に転落、特許の「影響力」に課題か知財ニュース(2/3 ページ)

クラリベイト アナリティクスは革新性の高い企業を選出する「Derwent Top 100 グローバル・イノベーター 2020」を発表した。国別受賞数で日本は2位に後退した。

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富士通とフジクラが語る知財戦略の取り組みとは

 クラリベイトアナリティクスが開催した会見では、9年連続での受賞となった富士通と初受賞となったフジクラの担当者が登壇し、両社の知財戦略をそれぞれ説明した。

 富士通は現在、先端技術の活用によって社会課題や顧客課題を解決するサービスを提供する「DX(デジタルトランスフォーメーション)企業」への変革を目指している。このため、同社はAI(人工知能)や5G、IoT(モノのインターネット)、クラウドなど7つの技術領域を重点化したIP(知財)ポートフォリオの構築を進めている。

 富士通 法務・知財・内部統制推進本部長代理の和泉恭子氏は「社会課題や顧客課題の解決には、自社内だけでなく世の中の技術をスピーディーに結び付ける必要がある。IPポートフォリオをある種のカタログとして用いることで、富士通グループのテクノロジーを社内外に流通させ、各社の強みを生かしたコラボレーションを進めていきたい」と語った。

表彰される富士通 法務・知財・内部統制推進本部長代理の和泉恭子氏(右)
表彰される富士通 法務・知財・内部統制推進本部長代理の和泉恭子氏(右)

 また和泉氏は、「当社の知財を基にした、オープンイノベーションを促進するための取り組みも積極的に進めている」と語った。具体的な取り組みとして、同社がオープンソースソフトウェア(OSS)のコンプライアンス認証である「OpenChain SPEC2.0」を国内企業で初めて取得したこと、加えて、スタートアップとのコラボレーションを支援するアクセラレーションプログラム「FUJITSU ACCERARATOR」を開催していることなどを取り上げた。

富士通はIPポートフォリオの構築と、知財のオープン化を進める[クリックして拡大]出典:クラリベイト アナリティクス

 続けて登壇したフジクラ 取締役専務の和田朗氏は、同社の知財戦略について「単に特許出願数を増やすだけでなく、1つ1つの特許の質を上げ、知財によって事業の競争優位性を築くことを目的としている」と語る。

表彰されるフジクラ 取締役専務の和田朗氏(右)
表彰されるフジクラ 取締役専務の和田朗氏(右)

 そのために現在同社が進めているのが、「事業戦略と知財戦略の統合」(和田氏)だ。同社の組織内には、事業戦略を策定する事業部と、知財管理を担当する知財センター、研究開発部門の3部門で構成された「IP部会」が設置されている。IP部会では他社との差別化を可能にする技術の選定から、自社が抱える知財課題の分析、知財の出願・取得戦略の策定と実行をそれぞれの部門が連携して行う。

 和田氏は、同社の今後の展望について「現在、当社は海外への事業展開を積極的に行っている。それに合わせて海外特許のポートフォリオを強化していきたい」と語った。

フジクラは事業戦略と知財戦略の統合を推進する[クリックして拡大]出典:クラリベイト アナリティクス

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