検索
ニュース

CAEを誰もがもっと使いやすく! 「ANSYS 2020 R1」の強化ポイントCAEニュース(2/3 ページ)

アンシス・ジャパンは「ANSYS 2020 R1」に関する記者説明会を開催し、同社プラットフォーム新製品である「ANSYS Minerva」の概要の他、構造や流体といった各種シミュレーション関連製品のアップデート内容について紹介した。

Share
Tweet
LINE
Hatena

構造解析製品は、2019年に買収した技術の統合へ

 有限要素法解析ソフトウェアの「ANSYS Mechanical」については、新しいGUIの実装、メッシングの強化、ケーブル要素の追加、ソルバ性能の向上、データ連携をポイントに挙げる。ソルバは、非線形解析機能を強化し、HPCのパフォーマンスを向上させた。また、「Abaqus」や「Nastran」といった外部FEA(有限要素解析)モデルの取り込み機能も改善が図られている。

 機構解析ツールの「ANSYS LS-DYNA」は、GUIを強化し、Workbenchとの連携を可能にした。また従来、LS-DYNAは陽解法ソルバとして、ANSYSは陰解法ソルバとして運用されてきたが、今回はLS-DYNAが本来備えていた陰陽両方の解法に対応。スプリングバックなどの解析も行える。アンシスは2019年にLS-DYNAの開発元である、Livermore Software Technologyを買収している。

「ANSYS LS-DYNA」について
「ANSYS LS-DYNA」について 出典:アンシス・ジャパン [クリックで拡大]

 「ANSYS Motion」は、Virtual MotionのMBD(モデルベース設計)ツール「DAFUL」のOEM製品である。こちらについてもWorkbenchの中で利用可能となり、弾性流体(EHD)軸受の解析に対応した。

 電子機器設計に特化した信頼性評価解析プリポストツール「ANSYS Sherlock」は、標準FEAエンジンに、ANSYS APDLソルバを採用した。Sherlockの開発元であるDfR Solutionsはアンシスが2019年に買収している。

 金属積層造形ツール「ANSYS AM」のトピックスとしては、キャリブレーション(校正)ガイド(結果と実験の整合性を取るためのプロセス)の提供、SLM(レーザ溶融法)やEOS向けのビルドファイル出力機能、固有ひずみ法への対応などを挙げている。

「ANSYS AM」について
「ANSYS AM」について 出典:アンシス・ジャパン [クリックで拡大]

 材料データベース構築ツール「ANSYS GRANTA」は、「GRANTA MI Enterprise」「GRANTA MI Pro」の2種類のGRANTA MIサーバを提供する。ProはCADやCAEで使う材料特性に特化したデータベースを提供。GRANTAの開発元であるGRANTA Designもアンシスが2019年に買収している。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る