モノづくりの全工程で3D CADデータを活用できる3D CADソフトウェア発売:CADニュース
フォトロンは、3D CADソフトウェアの最新バージョン「図脳CAD3D V2」を発売した。意匠設計機能とサーフェスモデリング機能などを強化し、モノづくりの全行程において3D CADデータの有効利用を促進する。
フォトロンは2020年2月7日、3D CADソフトウェアの最新バージョン「図脳CAD3D V2」を発売した。価格は80万円で、別途保守サポートへの加入代として15万円/1年(いずれも税別)が必要となる。
同社は、設計で作成した3D CADデータが製造現場で有効利用されていない問題を解消するため、2017年に「図脳CAD3D」を発売。最新版のV2では、意匠設計機能とサーフェスモデリング機能を強化した。これにより、モノづくりの上流工程である構想段階で、3D CADデータの活用促進が見込まれる。
意匠設計機能として、手書きスケッチの輪郭をトレースしながら3D CADデータを作成できる下絵画像の取り込み機能、CGソフトなどデザイン用途で使われるNURBS曲線や曲面の作成、編集機能を搭載する。NURBS要素と設計用途で使用されるスプライン要素の相互変換も可能で、モノづくり上流でのデータ断絶を解消する。他に、曲率表示やゼブラマッピングといった曲線、曲面の評価機能を追加した。
3Dモデリングカーネル「CGM Core Modeler」を採用しており、ハイエンドCAD「CATIA V5」「CATIA V6」のネイティブデータを取り扱うことができる。CATIAの他に、「SOLIDWORKS」「NX」「PTC Creo」「Inventor」などの主要な3D CADソフトウェア、NURBSモデラー「Rhinoceros」のネイティブデータの読み込みにも標準機能で対応する。
さらに、操作履歴や拘束条件に捉われず、マウスを使って3D形状を直感的に編集、修正できる「ダイレクトモデリング」手法を採用。例えば、解析部門で3D CADデータの不要な部分を削除し、データ容量を軽量化して解析用モデルを作成できる。
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