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モデルベース開発は、自動車メーカーと大手サプライヤーだけのものではない今だからこそ!モデルベース開発入門(2)(2/3 ページ)

モデルベース開発は、自動車メーカーやティア1サプライヤーだけのものではありません。ティア2以下のサプライヤーや中小企業にも無関係ではないのです。また、モデルの活用を「やらなければならない」と思うのではなく、自分のためでもいいのです。

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モデルベース開発は会社が動かないと始まらない?

会社としての話になるんですね……。


前に話したように、モデルベース開発は複数の関係者の間でやりとりしたい段階なんだ。自動車メーカーとサプライヤー、企業と大学の間でやりとりするには、社外との交渉や相談の上で土壌をつくる必要もあるね。その点では、経営層や管理職もモデル活用の推進に動かないとならない場面も出てくると思うよ。


(武里さんの話がどんどん壮大になってきたぞ……コーヒーもすっかり冷めちゃった……)


僕が気になるのは、「モデルベース開発は自動車メーカーとティア1サプライヤーだけの話」だと思っている人が結構多いんじゃないかってことなんだ。

確かに、高度な制御開発は自動車メーカーとティア1サプライヤーが担当する領域だ。でも、モデルにはいろいろな定義があるって言っただろう? ティア2サプライヤーや、中小企業も無関係ではないはずなんだ。


えっ、ティア2サプライヤーも、ですか? 裾野が相当広いですね。


クルマの設計の流れを考えると、車両の構想、機能設計、ユニットや部品の設計、製造設計という風に複数の段階があるじゃないか。最近だと、どういう機能が必要か検討する段階で半導体メーカーと自動車メーカーが直接話し合う場面も増えているしね。

ユニットや部品は、機械部品、電子部品、制御ソフトウェアの側面から設計する。燃費だって、エンジンだけでは決まらない。トランスミッション、タイヤやサスペンション、駆動系の部品、車体などなど、いろいろな要因が絡み合っている。

もちろん燃費だけじゃなく、いわゆるNVH(騒音、振動、ハーシュネス(不快感))や、運動性能、熱マネジメントなどクルマの性能はいろいろな領域に広がるだろ? エンジンやトランスミッションという大きなくくりではなく、構成する部品に分けて……と考えると、モデルベース開発の関係者は、広く深くいるはずなんだ! 経済産業省は「SURIAWASE2.0」の深化、という言い方をしていてね。



モデルベース開発の関係者は広くて深い(クリックして拡大) 出典:自動車技術会

ちょ、ちょっと待ってください。もう僕に関係ない話じゃないですか。僕はサプライヤーの現場のエンジニアにすぎないし、当面は上司や役員クラスが動くのを待つしかないですよね?


壮大過ぎて、自分には関係ない……?

悪いな、ちょっと壮大すぎたな。取引先からモデルベース開発をやってくれと強い要望があったんだよな。八木崎の会社としては、やらざるを得ない状況だし、国としてもやってほしいと思っているのは事実だ。そういう状況がモデル活用を後押しする一因ではある。

少ない試作で効率的に開発を進めるという大義もあるし、モデルのやりとりが自動車業界全体に広がればいいことがたくさんあるのも間違いない。そういう壮大な視点だと、ひとごとっぽく感じても仕方ないな。


そうなんです。僕が思っていたこと、バレバレですね。でも、これだけ話が壮大だと、どこから考えていけばいいのか見当がつきません。


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