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パナソニックのテスラ向け車載電池事業が黒字化、LG化学やCATLの採用は静観製造マネジメントニュース(1/2 ページ)

パナソニックが2019年度(2020年3月期)第3四半期(10〜12月期)の決算を発表。前年度同期と比べて減収となったものの、調整後営業利益は前年度並み、営業利益と純利益は増益となった。また、これまで利益を押し下げていたテスラ(Tesla)向けの車載電池事業が四半期ベースで黒字化したことを明らかにした。

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 パナソニックは2020年2月3日、東京都内で会見を開き、2019年度(2020年3月期)第3四半期(10〜12月期)の決算を発表した。前年度同期と比べて減収となったものの、調整後営業利益は前年度並み、営業利益と純利益は増益となった。また、これまで利益を押し下げていたテスラ(Tesla)向けの車載電池事業が四半期ベースで黒字化したことを明らかにした。

パナソニックの2019年度第3四半期の連結業績
パナソニックの2019年度第3四半期の連結業績(クリックで拡大) 出典:パナソニック

 2019年度第3四半期業績は、売上高が前年度比8%減の1兆9112億円、調整後営業利益(売上高から売上原価と販売費および一般管理費を控除して算出)が同1%減の953億円、営業利益(調整後営業利益にその他損益と持分法による投資損益を加えた金額)が同3%増の1004億円、当期純利益が同29%増の772億円となった。中国などの投資需要の低迷や自動車市況の原則、日本国内の消費増税などの影響により減収となったが、調整後営業利益は減販損や為替影響を限界利益率改善や固定費削減によって前年並みを確保した。営業利益と純利益については、計上した構造改革費用よりも事業売却益などが上回り増益となった。

セグメント別増減要因
セグメント別増減要因(クリックで拡大) 出典:パナソニック

 2019年度通期の業績見通しは、売上高7兆7000億円、調整後営業利益3000億円、営業利益3000億円で、2019年10月の中間決算発表時から変更はない。ただし、セグメント別の見通しは修正しており、コネクティッドソリューションズ(CNS)社は2019年5月に発表したセキュリティシステム事業の戦略的資本提携と関わる事業売却により、調整後営業利益は下方修正、営業利益は上修正している。最も大きく変更したのは、インダストリアルソリューションズ(IS)社で、中国を中心とした自動車市場の減速、二次電池の需給悪化、台風19号の被災による郡山工場(福島県郡山市)の操業停止、台湾Nuvoton Technologyに売却した半導体事業の減損などを織り込み、売上高、調整後営業利益、営業利益とも下方修正している。IS社の下方修正分については、消去・調整に組み込まれている固定費削減による本社収支の良化などでカバーできる見込みだ。

2019年度通期業績のセグメント別見通し
2019年度通期業績のセグメント別見通し(クリックで拡大) 出典:パナソニック
パナソニックの梅田博和氏
パナソニックの梅田博和氏

 なお、郡山工場は2019年10月の台風19号による被災から復旧を進め、同年12月23日に一部生産を、2020年1月初旬には出荷も再開している。パナソニック 取締役 常務執行役員 CFOの梅田博和氏は「かなり復旧が進み生産が軌道に乗ってきたが、完全復旧は2020年2月末になる見込みだ。郡山工場が操業できなかったことによる被害額は数十億円レベルで、IS社の業績見通しを下方修正する大きな要因になっている」と語る。

 なお、今回の発表では中国などで発生している新型コロナウイルスによる被害は織り込んでいない。「中国現地での操業再開時期は春節明けとなる2月3日を予定していたが、中国政府の指導を受けて2月10日に遅らせることにした。このため現時点で被害を想定するのは難しい。サプライチェーンへの影響もあり得るが、まずはBCPに従って対応することになるだろう」(梅田氏)という。

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