3つの断トツをデジタルで融合、ブリヂストンは「T&DPaaS」でコト売りに移行する:製造業がサービス業となる日(1/2 ページ)
ブリヂストンが主力商材のタイヤを商品の売り切りではなくサービスとして提供していくためのビジネスプラットフォーム「Bridgestone T&DPaaS(Tire & Diversified Products as a Solution)」について説明。「ダントツの商品とサービス、拠点ネットワークをデジタル技術で融合し、ソリューションとして顧客に提供していく」という。
ブリヂストンは2020年1月31日、東京都内で会見を開き、主力商材のタイヤを商品の売り切りではなくサービスとして提供していくためのビジネスプラットフォーム「Bridgestone T&DPaaS(Tire & Diversified Products as a Solution)」について説明した。「ダントツの商品とサービス、拠点ネットワークをデジタル技術で融合し、ソリューションとして顧客に提供していく」(同社執行役員 Bridgestone T&DPaaS企画担当の高城知行氏)という。
同社は2019年1月に、オランダのTomTomからデジタルフリートソリューション事業を統括するTomTom Telematicsを9億1000万ユーロ(約1093億円)で買収(同年10月に社名をWebfleet Solutionsに変更)。同事業と、ブリヂストングループがこれまで培ってきたタイヤに関する知見やグローバルサービスネットワークを融合し、MaaS(Mobility as a Service)に関わる顧客やサービス事業者に向けて展開することを打ち出したのがT&DPaaSだ。
高城氏は「自動車業界は100年に1度の大変革期を迎えており、モノ売りからコト売りへの移行が始まっている。タイヤはクルマの走りを支えてきたが、これからは進化するモビリティを支えていかなければならない。そこで、ブリヂストンが移動ソリューションのコントリビューターとなるためのソリューションプラットフォームがT&DPaaSである」と語る。
T&DPaaSのコンセプトでは、世界トップシェアのタイヤをはじめとする「断トツの商品」、トラック向けタイヤで展開を拡大するリトレッドなどの「断トツのサービス」を、乗用車向けで9000、商用車向けで3500の拠点をグローバルに展開する「断トツのサービスネットワーク」とデジタルコネクティビティで融合し、ソリューションとして提供していくことを目指している。
「断トツの商品」では、ランフラットタイヤや摩耗性能を維持しながら軽量化を果たした「Enliten」、EV(電気自動車)などに採用されている次世代低燃費タイヤ「Ologic」、走行しながらのワイヤレス給電を可能とするインホイールモーター用タイヤ、パンクしないタイヤ「エアフリーコンセプト」、ゴムと樹脂を融合した材料「SUSYM」などがある。「これら『断トツの商品』をベースに、リトレッドに代表される『断トツのサービス』を拡充させる。そして『断トツのサービスネットワーク』については、デジタルを活用する形で、タイヤを売る拠点からMaaSに対応したソリューションを提供する拠点に変えていくことになる」(高城氏)という。
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