連載
データムを必要とする幾何公差【その5】〜位置公差の位置度〜:産機設計者が解説「公差計算・公差解析」(12)(2/4 ページ)
機械メーカーで機械設計者として長年従事し、現在は3D CAD運用や公差設計/解析を推進する筆者が公差計算や公差解析、幾何公差について解説する連載。第12回は「位置公差」のうち「位置度」について取り上げる。
2−1−2.直線形体の位置度
(1)一方向の位置度
・公差域の定義
その方向に垂直で理論的に正確な位置にある幾何学的直線(※注1)に対して対称な幾何学的平行2平面でその直線形体(L)を挟んだときの、2平面の間隔(f)で表す。
※注1:図2の平面(PT)は、理論的に正確な位置にある幾何学的直線を含み、その方向に垂直な平面を示す。
(2)互いに直角な二方向の位置度
・公差域の定義(JIS原文から参照図番号を編集)
互いに直角な2方向の位置度は、その2方向にそれぞれ垂直で理論的に正確な位置にある幾何学的直線(LT)に対して対称な2組の幾何学的平行2平面でその直線形体(L)を挟んだときの、2平面の間隔(f1、f2)、すなわち2組の平行2平面で区切られる直方体の2辺の長さで表す。
(3)方向を定めない場合の位置度
・公差域の定義(JIS原文から参照図番号を編集)
方向を定めない場合の位置度は、理論的に正確な位置にある幾何学的直線(LT)を軸とし、その直線形体(L)を全て含む幾何学的円筒のうち最も径の小さい円筒の直径(f)で表す。
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