東芝Nextプランはフェーズ2へ、2020年からは工場のようにIoTサービスを量産:製造業IoT(2/3 ページ)
東芝が技術戦略説明会を開催。同社 執行役専務 CTOの斉藤史郎氏と、コーポレートデジタイゼーションCTO&デジタルイノベーションテクノロジーセンター長の山本宏氏が登壇し、2018年に発表した「東芝Nextプラン」に対して技術戦略がどのように進捗しているのかを説明した。
「T字」「とうがらし」「コンテナ」がキーワード?
「IoTリファレンスアーキテクチャとサービスの展開」については、山本氏が「東芝Cyber戦略2019〜世界有数のCPSカンパニーを目指して」と題して、より踏み込んだ解説を行った。
山本氏は2018年度の技術戦略説明会で、東芝独自のIoT参照アーキテクチャとなる「TIRA(Toshiba IoT Reference Architecture)」の構想を打ち出している。エッジ、プラットフォーム、エンタープライズサービスという3つのティアから成るアーキテクチャに、コントロール、データ、アナリティクス、オペレーション、サービス、ビジネス、システム・オブ・システムズという7つのコンポーネントを割り当てるもので、このTIRAをテンプレートとして設計されたIoTサービスが「SPINEX」になる。山本氏は「このIoTサービスを10種類出すとコミットしたが、これまでに12種類をリリースできている」と説明する。
その上で現在のIoTサービスについては「東芝製品から生成されるデータによるデジタルサービスであり、これはフェーズ1だ。2019〜2020年はフェーズ1でいくが、他社ハードから生成されるデータにもデジタルサービスを適用できるようにし、これがフェーズ2になる」(山本氏)という。その上で、設計基本方針として、オープンなIIoT(Industrial IoT)のAPIを持つ「オープンアーキテクチャ」、コンテナ化に基づく「ポータブルなサービス/モジュール」、国際標準に基づいた「セキュアなサービス」の3つを示した。
山本氏が、2019年度の取り組みのキーワードとして挙げたのが「T字」「とうがらし」「コンテナ」の3つである。
TIRAでは、東芝製品以外のハードウェアともデータをやりとりできるインタフェースや、東芝と他社をつなげるAPIによって3つのティアがつながっている。協調となるこの横方向のつながりに対して、他社への競争力の源泉になる2番目のティアのプラットフォームを作り込んでいく縦方向のつながりがあり、ここから「T字」が生み出される。
そのために整備を進めているのが東芝共通データプラットフォームであり、そのコードネームが「Habanero」(とうがらしの1種のハバネロ)なのだ。山本氏はHabaneroの意義について「事業側が個別にCPSを開発、運用しても非効率だ。その部分はわれわれの部門で共通の基盤を作って提供するので、TIRAで言うオペレーションやエッジに注力してほしい」と述べる。
また「コンテナ」では、HabaneroをはじめとするTIRAを構成するソフトウェアを、Dockerやkubernetesなどのコンテナベースに作り替えていく方針を示した。「膨大なユーザー数を持つサービスはほぼ全て、スケールしやすいコンテナを使っている。IIoTの場合、ユーザー数は多くなくても、デバイスの数は今後爆発的に増える可能性がある以上、コンテナを採用すべきだ」(山本氏)。なお、既に提供しているIoTサービス12種類のうち5種類を占める電力システム向けソリューションは、全てコンテナベースへの作り替えを完了している、
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