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オムロンの腕時計型血圧計が日本でも発売、細い腕帯でも医療機器の精度ウェアラブルニュース(1/2 ページ)

オムロン ヘルスケアは2019年11月27日、医療機器として薬事認証を取得した腕時計型のウェアラブル血圧計「Heart Guide」を同年12月3日に日本で発売すると発表した。手首で血圧を測るにはカフ(腕帯)に一定の幅が必要だったが、構造を工夫したことで従来の手首式血圧計の半分の幅のカフで正確に測定できる。この手軽さと精度を生かし、1日の中での血圧の変動を把握できるようにする。

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腕時計型のウェアラブル血圧計「Heart Guide」で測定中の様子(クリックして拡大)

 オムロン ヘルスケアは2019年11月27日、医療機器として薬機法の認証を取得した腕時計型のウェアラブル血圧計「Heart Guide」を同年12月3日に日本で発売すると発表した。手首で血圧を測るにはカフ(腕帯)に一定の幅が必要だったが、構造を工夫したことで従来の手首式血圧計の半分の幅のカフで正確に測定できる。この手軽さと精度を生かし、1日の中での血圧の変動を把握できるようにする。

 血圧はストレスや体重、塩分への反応度、運動習慣、睡眠などさまざまな要因に影響を受けて上下する。Heart Guideは歩数や睡眠時間も測定可能で、自分の血圧がどういったときに高くなるかなど特徴を把握することができる。また、将来的には個人に最適化したきめ細かい高血圧治療の実現につなげ、心筋梗塞や脳梗塞の発生を減らす。

 税抜き価格は7万9800円で、オムロン ヘルスケアのオンラインストアで販売する。日本では年間1500台の販売を目指す。ターゲットは、高血圧が原因の脳心血管疾患の発症を経験するなどして血圧の自己管理に関心の高い人や、高血圧に関する治験や臨床試験だ。Heart Guideは2018年の消費者向けエレクトロニクス展示会「CES 2018」で初披露し、日本に先行して米国やフランス、イタリア、ドイツ、英国で販売している。米国では「供給が追いつかないほどの売れ行き」(オムロン ヘルスケア)だという。

測定結果を表示したところ。正常値は表示や文字色が緑色になる(左)。歩数なども測定できる(右)(クリックして拡大)

 血圧を測るときはカフで動脈を圧迫するが、手首は動脈の周囲に橈骨(とうこつ)と尺骨(しゃっこつ)があるため手首式血圧計は一定の幅のカフが必要だった。カフの幅を小さくすると動脈を十分に圧迫できず、医療機器としての精度を確保できないという課題があった。

 これを受けて、カフの中の空気袋はこれまで1つだったが、Heart Guideでは空気袋を3つ使用する設計とした。手の甲側のカフが膨らむことで手のひら側のカフに肌が密着しやすくし、手のひら側のカフと合わせて圧迫する。さらに、センシング用のカフが膨らむことで血圧を測定する。カフの幅は従来の手首式血圧計と比べて50%減、本体容積は同65%減に小型化した。ただ、適用可能な腕周は16〜19cmで手首が細い人は正確に測定しにくい場合があり、改良を続けるとしている。

カフの内側。3つの空気袋が搭載されている(左、中央)。カフの幅を従来の手首式血圧計の半分にした(右)(クリックして拡大)

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