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住友重機械のエッジコンピューティング活用法とは、HPEは「5Gクラウド」目指す製造業IoT(1/2 ページ)

日本ヒューレット・パッカード(日本HPE)は、工場をはじめとする厳しい動作環境向けのエッジコンピュータ「HPE Edgeline」の最新ラインアップとなる「HPE Edgeline EL8000 Converged Edge System」を発表。また、HPE Edgelineのユーザー事例として、住友重機械の射出成形機事業の取り組みも紹介した。

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 日本ヒューレット・パッカード(日本HPE)は2019年11月26日、東京都内で会見を開き、工場をはじめとする厳しい動作環境向けのエッジコンピュータ「HPE Edgeline」の最新ラインアップとなる「HPE Edgeline EL8000 Converged Edge System(以下、EL8000)」を発表した。従来のHPE Edgelineは、工場内もしくは工場の事務所などへの設置を想定していたが、EL8000は、通信キャリアが5Gの基地局側で高度な処理を行うMEC(Multi-access Edge Computing)やローカル5Gの基地局に向けた製品となる。

「HPE Edgeline」の最新ラインアップ「EL8000」の外観
「HPE Edgeline」の最新ラインアップ「EL8000」の外観(クリックで拡大)
日本HPEの五十嵐毅氏
日本HPEの五十嵐毅氏

 同社 執行役員 ハイブリッドIT事業統括の五十嵐毅氏は「当社はエッジコンピューティングのプラットフォームとしてHPE Edgelineを展開してきた。地産地消でデータを処理するエッジコンピューティングのコンセプトの中でも、エッジはコア、クラウドに続くデータセンターの第3の拠点になり得る存在だ。当社はインテリジェントエッジと位置付け、2019年から4年間で40億米ドルを投資する方針を示している」と語る。

 より末端側のエッジデバイスで計算処理を行うエッジコンピューティングだが、次世代通信技術である5Gの登場に合わせて、クラウドよりもエッジ側にある基地局で負荷の大きな計算処理を行うMECの需要が高まっている。また、工場向けなどで注目を集めるローカル5GでもMECは有効だと考えられている。そこでHPEは、これを「5Gクラウド」と呼び、通信キャリアや通信機器ベンダー向けの提案活動を強化している。サムスン電子やノキア、ボーダフォン、ドイツテレコム、AT&Tなどとの協業事例はその一環になる。

「HPE Edgeline」は「5Gクラウド」を実現する
「HPE Edgeline」は「5Gクラウド」を実現する(クリックで拡大) 出典:日本HPE

 今回発表したEL8000は、この5Gクラウドを強く意識した製品になる。従来のHPE Edgelineは、インテルの「Xeon」の中でも低消費電力の製品を用いてきたが、EL8000ではデータセンターなどで用いられるより高性能な「Xeon SP」を備える「HPE ProLiant e910 1U Server Blade」を最大4基搭載できる。その一方で、動作温度範囲0〜55℃、耐衝撃、耐振動というEdgelineならではの性能は変わらない。もちろん、通信機器としての利用を想定しているので通信機器向けの標準規格であるNEBS Level 3にも準拠している。1台のEL8000に最大4プロセッサ、メモリ4TB、ストレージ77.8TBを搭載可能であり、さらに横に2台、縦に2台並べた高集約設置が可能なラッキングオプションも提供する予定だ。

「EL8000」のシステム概要4台並べた高集約設置も可能 「EL8000」のシステム概要(左)。4台並べた高集約設置も可能になるという(右)(クリックで拡大) 出典:日本HPE

 EL8000は発表と同日から販売を開始する。希望小売価格(税別)は217万4000円から(HPE ProLiant e910 1U Blade Serverを1基搭載時)となっている。

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