マイクを使って非接触の設備異常監視を実現、“音のプロ集団”が提案:FAニュース(1/2 ページ)
日立パワーソリューションズは、工場や発電所で発生する騒音を常時測定することで異常の有無を監視できる「リアルタイム騒音監視システム」を発表。2022年度には、ソリューションを拡充した上で年間2億円の受注高を計画している。
日立パワーソリューションズは2019年11月25日、東京都内で会見を開き、工場や発電所で発生する騒音を常時測定することで異常の有無を監視できる「リアルタイム騒音監視システム」について説明した。同日から提供を開始しており、製造業の工場向けを中心に2020年3月までの4カ月間で1000万円の受注を目指す。2022年度には、ソリューションを拡充した上で年間2億円の受注高を計画している。
新開発のリアルタイム騒音監視システムは、工場や発電所の設備稼働による騒音を複数箇所で常時測定し、評価対象の騒音の大きさや周波数のトレンドを可視化するとともに、収集したデータに機械学習を適用することで、正常稼働時の騒音と異常時の騒音を自動で識別する。これにより、リアルタイムの騒音監視と情報共有が可能となり、設備異常の早期発見などが可能になるという。
システムは、三脚上に設置した360度マイク、マイクから収集した音声データを音圧の時間波形データに変換処理する騒音計、工場や発電所の事務所内PCにこの時間波形データを無線通信で送るための無線LAN端末から構成されている。設備の近傍など騒音を測定したい対象の近傍に設置することで、無人で24時間の監視を遠隔地から行える。なお、マイクで収集した音声データは、騒音計で時間波形データに変換しているが、用意するストレージの容量に合わせて一定時間分を保持しておける。
また、マイクを覆う全天候型防風スクリーンと、騒音計と無線LAN端末を入れる機器収納容器は防水仕様なので、屋外に設置することも可能だ。
測定データは、騒音レベルのトレンドと周波数分析結果のトレンドとして表示可能であり、音の大きさと音色の変化を可視化できる。また、騒音レベルの大小や、それらの継続時間などの条件を設定することによるアラートの配信も可能で、画面への警告表示、スマートフォンなどへのメール配信、パトライトの点灯制御などで騒音異常を知らせることができる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.