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東芝が“真にオープン”なIoT団体設立、「誰でも作れるIoT」に向け100社加入へ第4次産業革命の現在地(1/2 ページ)

東芝と東芝デジタルソリューションズは2019年11月5日、同社が開発した連携技術「ifLink」をベースとしてIoTサービスのオープンな共創を目指す「ifLinkオープンコミュニティ」を2019年度(2020年3月期)中に設立し、2020年3月までに100社の加入を目指すと発表した。

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 東芝と東芝デジタルソリューションズは2019年11月5日、同社が開発したIoT(モノのインターネット)技術「ifLink」をベースとしてIoTサービスのオープンな共創を目指す「ifLinkオープンコミュニティ」を2019年度(2020年3月期)中に設立。2020年3月までに100社の加入を目指すと発表した。

IoT普及の課題をクリアする

 IoTの普及は広がっているものの、産業領域など一部での利用のとどまっており、第4次産業革命で描かれているようなデータをベースとした新たなビジネス基盤の構築にははるかに遠い道のりがある状況だ。

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東芝 執行役常務 サイバーフィジカルシステム推進部長 島田太郎氏

 これらの課題として、IoTのニーズはユーザーやビジネスの現場などで生まれる一方で、現場ではIoTを機能させるITスキルがなく「ニーズ」と「手段」が乖離していた状況があった。これらを結び付けるIoT推進団体なども数多く存在しているものの「特定企業のビジネス色が強く、プラットフォームで利益を上げようとするのが見え、真の意味での企業間のつながりが生まれにくい状況があった」と東芝 執行役常務 サイバーフィジカルシステム推進部長 島田太郎氏は従来の課題について述べる。

 東芝が今回設立した「ifLinkオープンコミュニティ」はこれらの課題解決を目指すものである。コミュニティーの基幹となる「ifLink」は、東芝デジタルソリューションズが独自開発したIoTプラットフォームで「ドアが開いたら(IF)、ライトが光る(THEN)」のように、IF-THEN型の設定でスマートフォン端末につながる機器同士を結び、動作させることが可能である。プログラミングが不要で接続できればスマートフォン端末で設定できる。ITの専門知識を持たないユーザーでも活用できるため、さまざまな企業のビジネス創出の機会拡大に貢献する。

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ifLinkで実現する「IF」と「THEN」による簡単IoTの実例(クリックで拡大)出典:東芝

 ifLinkは基本的にはスマートフォンアプリとクラウドでのルール作成機能で構成。クラウド側で作成したルールを、ifLinkアプリをダウンロードしたスマートフォン端末で適用するという仕組みであるため、一度ルール設定ができればクラウドとの通信なくエッジ側(スマートフォン端末側)だけでも各種データの処理や動作の処理などを行える点が特徴である。

 スマートフォン端末とセンサーなどの接続については、SDK(Software Development Kit)を提供することで、ifLinkアプリ内にマイクロサービスとしてデータ連携の仕組みを作り、さまざまなデバイスからのデータを取得できるという。

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ifLinkの仕組み(クリックで拡大)出典:東芝

ピッチコンテストから全社プロジェクトへ昇格

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ifLinkを開発した東芝デジタルソリューションズ ICTソリューション事業部 参事の吉本武弘氏

 ifLinkはもともと約2年前に東芝デジタルソリューションズ ICTソリューション事業部 参事の吉本武弘氏がスマートフォン端末版のゲートウェイとしてβ版を開発。しかし、接続端末数が増えないと効果を生まないことから、グループ内でも生かし方に迷いが生まれていたところだったという。ところが、東芝が経営体制を刷新し「CPSテクノロジーカンパニー」へと舵を切る流れ(※)で、社内でのピッチコンテストなどを実施。そこで「もともとのコンセプトにあるオープン性が素晴らしいと考えた。そこで、全社プロジェクトに持ちあげてさまざまな企業との連携を進めることにした」と島田氏は経緯について語る。

(※)関連記事:再生目指す東芝が示した新たなIoT戦略とその勝算

 ifLinkではセンサーやビーコン、GPSなどのデバイスとの連携に加え、メールはHTML表示、音声合成などのアプリケーションソフトとの連携なども実現可能である。また、組み合わせてQRコードを撮影すれば簡単にルール作成ができる「IF-THENカード」なども用意。徹底して分かりやすさを追求している。

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「IF-THENカード」とその使い方(クリックで拡大)出典:東芝

 ただし、「IF-THEN」により簡単にIoTを作れるといっても東芝の中だけで生まれるアイデアは限定的である。そこで、より広くIoT活用を普及させるということをコンセプトとしオープンなコミュニティーを構築することにした。そこで構築したのが今回の「ifLinkオープンコミュニティ」である。

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