「オフグリッド型コネクテッド住宅」は2030年の新たなスマートホームになるか:CEATEC 2019(2/3 ページ)
Armの子会社であるトレジャーデータと、エムテド、日南の3社は2019年10月15日、「CEATEC 2019」内で会見を開き、「2030年の豊かな暮らし」を実現するオフグリッド型コネクテッド住宅「OUTPOST」を開発、提供するプロジェクトについて説明した。
「2030年に向けた新たなスマートホームのコンセプト」
トレジャーデータ マーケティングディレクターの堀内健后氏は「当社はCDP(カスタマーデータプラットフォーム)としての認知が広がっており、多くの企業にも利用いただいている。しかし、当社のプラットフォームは、顧客データだけでなくIoT(モノのインターネット)などデバイスから得られるデータを管理、分析することでも力を発揮できる。ここ数年は、顧客データにとどまらない分野へのアプローチが課題だったが、2030年に向けた新たなスマートホームのコンセプトともいえるOUTPOSTという明確なカタチをお見せすることで、一気に活動を広げていきたい」と意気込む。
OUTPOSTの総合デザインを担当したのは、デザインマネジメントなどで知られるエムテド 代表取締役の田子學氏である。田子氏は「OUTPOSTのデザインでは、資産としてためているデータをどう活用できるのか、それを暮らしとしてどのように表現できるのかを考えた」と説明する。
OUTPOSTは空間全体がデバイスであり、常時ネットワークにつながりつつ、既存のライフラインには依存しない、オフグリッドな“新しい人生とスタイル”を提案する。「住宅として住み続けるというよりも、仕事場にも週末の余暇を楽しむ場所にもなり得るサードプレースという位置付け」(田子氏)だ。
またモジュール設計を採用しており、短工期での設置が可能である。田子氏は「オフグリッドなので、インフラのない過疎地でも設置できるし、設置場所が日本である必要もない」と述べる。
日南は、今回のCEATEC 2019の展示におけるVRコンテンツ制作を担当した。創業50周年の同社は家電から自動車に至るまで、さまざまな製造業に対して開発支援を行ってきた。同社 取締役 デザイン本部長の猿渡義市氏は「デザインプロセスからプロトタイピング、その後のデータ管理なども手掛けており、開発支援で実績を積み重ねてきた。OUTPOSTでは、丘の上や湖の上で住まうイメージのVRコンテンツを制作したが、今後はプロトタイピングや実証実験で貢献していくコトになるだろう」と述べている。
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