AIoTのデジタル基盤化に本腰入れるシャープ、基盤会社を独立させ仲間作りを加速:CEATEC 2019(2/3 ページ)
シャープは2019年10月14日、「CEATEC 2019」(2019年10月15〜18日、千葉県・幕張メッセ)の開催に先立ちAIoT戦略を発表。スマートライフを実現するための会員サービスと他社サービス連携を強化するために新たに設立した子会社2社を中心にデジタルエコシステムを本格的に拡大させていく方針を示した。
他社サービスとの連携強化を目指すAIoTクラウド
一方、AIoTクラウドは他社サービスとの連携を強化し、AIoTプラットフォームそのものの価値向上を目指していくことが役割となる。AIoTクラウド 代表取締役社長 赤羽良介氏は「スマートライフについての政策などを見ても、モノと人をつなげ、社会課題や生活課題を解決していくということが大きな動きとなっている。その中で相互接続性を重視しパートナーのニーズに応えることで、生活データを重視したさまざまなサービスが生まれる場となることを目指す」と語っている。
具体的なプラットフォームの特徴としては以下の4つのポイントを挙げる。
- 生活データとその高次化
- 相互接続性
- 個別対応
- 統合UI
シャープのAIoT機器は現在292機種がネット接続に対応し、実際に接続が行われている機器が65万台存在するという。これらの生活データを起点とし、他社サービスなどを組み合わせて生活を便利にするアプリケーションを増やしていくことで新たな価値を訴え、ユーザーやパートナーの拡大につなげていく方針だ。
これらの1つが、経済産業省の「LIFE UP プロモーション」の対象コンソーシアムとして選ばれた「シャープコンソーシアム」(シャープ、KDDI、セコムなど7社で構成)の取り組みである。「LIFE UP プロモーション」は経済産業省の「生活空間におけるサイバー/フィジカル融合促進事業費補助金」に基づき、IoT家電や機器から収集する生活データを活用したサービスに対し、利用契約を行った消費者に対して、ポイントやディスカウントなどの特典を与えるもの。家電による生活データを生かした新たなビジネスモデル創出につながると期待を集めている。
生活データのビジネスについて赤羽氏は「従来は統計データなどを展開してきたが、家電のデータを高次化してそのまま販売するというケースは初めてのこととなる。開始から2週間がたったが、販売店の協力を得て、認知が進んできた。調理家電中心に期待感があるので、そちらからデータを流し始めている」と語っている。
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