コネクテッドサービスの有料加入者は5%、約40%は「今後も利用しない」:モビリティサービス(2/2 ページ)
デロイトトーマツグループは「転換期を迎えた自動車産業の注目すべき3つの論点」をテーマとし、メディアセミナーを開催。本稿では同セミナーの中から、「CASE」についての消費者意識調査の内容を3回に分けて掲載する。第3回は「コネクテッド」と「モビリティサービス」についての消費者意識の変化について紹介する。
モビリティサービスではタクシー配車サービスが人気
新たにさまざまなものが生まれているモビリティサービスについては全体的にはまだ利用者は少ないが、その中でも「タクシー配車サービス」は比較的よく使われているといえる。「利用したことがある」とした回答者の合計は30%に達している。その他、カーシェアは18%、フードデリバリーは17%、シェアサイクルは14%、駐車場シェアリングは12%の利用率となっている。
モビリティサービスの利用年代層を見ると、いずれのサービスともに若年層ほど多く利用する傾向がある。ただ、タクシー配車については「40代」や「50代」よりも「60代」が多く使う傾向にある点は、タクシー利用の特徴が出ている。
モビリティサービスの利用動機は利便性
それぞれのモビリティサービスを利用している動機についてはさまざまなものがあるが、「所有」では費用対効果が合わない領域で、「利用」により低負担で活用できる点が評価を受けているといえる。
「タクシー配車サービス」で見ると、最も大きな動機は「移動したい時に自由に使えるから」で次の動機が「移動に必要な時間を短くしたい」となっており、タクシーを探したり、待ったりする時間を削減できるという点に大きな魅力があると見られていることが分かる。また、3番目の動機として挙がっている「海外旅行や出張などの知らない土地で便利だから」は特にスマートフォンアプリなどにより利便性が向上した点が評価を受けているといえる。
「カーシェアリングサービス」については、最も大きな動機は「移動したい時に自由に使えるから」となったが、「移動に必要な費用を削減したい」が2番目の動機として挙がっていることが特徴である。所有しなくても「移動」をサービスとして活用できるようになり、コスト削減を図るという意識があることが分かる。
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