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防虫管理は守りから攻めへ、「世界初」のAIを採用した捕虫器が誕生人工知能ニュース(1/2 ページ)

アース環境サービスとLuci、ゴウハウスの3社は2019年9月12日、昆虫の混入事故を防止するAI(人工知能)捕虫器「RIG1.0」を共同開発したと発表した。昆虫を誘引する光源としてLEDを採用したことや、捕獲昆虫の判定やカウントで「おそらく世界初のAIシステムを構築した」(ゴウハウス CEOの佐藤哲也氏)ことが特徴だ。

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 アース環境サービスとLuci、ゴウハウスの3社は2019年9月12日、昆虫の混入事故を防止するAI(人工知能)捕虫器「RIG1.0」を共同開発したと発表した。昆虫を誘引する光源としてLEDを採用したことや、捕獲昆虫の判定やカウントで「おそらく世界初のAIシステムを構築した」(ゴウハウス CEOの佐藤哲也氏)ことが特徴。後追い対策とせざるを得なかった防虫管理業務の効率化、迅速化を支援するとしている。


AI捕虫器「RIG1.0」の後ろに立つLuciの南里知致氏(左)、アース環境サービス社長の松本吉雄氏(中央)、ゴウハウス CEOの佐藤哲也氏(右)

 製品の品質を左右するリスクはさまざまなところにある。製品への異物混入もそのうちの1つだ。アース環境サービスは殺虫剤などの衛生薬品で知られるアース製薬のサービス事業子会社で、食品や医薬品、化学品などの製造事業者に対して有害生物の駆除(ペストコントロール)や環境保全業務を提供している。

 アース環境サービスでRIG1.0の開発責任者を担当した天田智久氏は「われわれは顧客からさまざまな異物検査を受託しているが、異物混入における昆虫の割合は多い。数ある異物の中でも、昆虫は自分で動き回ったり繁殖したりするので、混入リスクが最も高いといえる」と指摘する。


アース環境サービスが2018年に実施した異物検査における異物の内訳(クリックで拡大) 出典:アース環境サービス

 そうした中、防虫管理業務では捕虫器で捕獲した昆虫の種や個体数の調査が重要な役割を占める。昆虫の種により「製品への混入リスクが異なり、その対策も全く違う」(天田氏)ためだ。一方で、捕獲昆虫は捕獲姿勢がそれぞれ異なることや虫体の破損もあるため、昆虫の種の分類には専門家による高度な判定能力が必要だ。よって、これまで昆虫の混入リスクの評価には数週間程度と長いリードタイムが発生していた。食品など製造から消費までのサイクルが早い業界では、「製品が既に消費されてから混入リスクが分かる、後追い型対策となっていた」という。


専門家が昆虫の種を判別する様子(クリックで拡大) 出典:アース環境サービス

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