レスキューロボット集結! 要救助者を速やかに助け出せ!:inrevium杯 第19回レスキューロボットコンテスト(1/4 ページ)
2019年8月10日、11日に神戸サンボーホールにて「レスキューロボットコンテスト(以下、レスコン)」が開催された。今回で第19回目を迎える本コンテストには全国から24チームの応募があり、岡山と東京で開催された予選を経て14チームが本選に出場した。
2019年8月10日、11日に神戸サンボーホールにて「レスキューロボットコンテスト(以下、レスコン)」が開催された。今回で第19回目を迎える本コンテストには全国から24チームの応募があり、岡山と東京で開催された予選を経て14チームが本選に出場した。
レスキューロボットコンテストとは?
レスコンは、大規模都市災害におけるレスキュー活動を題材としたロボットコンテストだ。1995年に発生した阪神・淡路大震災の後、ロボットやメカトロニクスの研究者が集まり、レスキュー機器の技術的な課題を調査した。その際に、レスキュー機器の開発だけではなく一般への啓発や広報も重要であることを痛感したという。
そこで次世代の技術者を育てると同時に、広く一般に防災や災害対応について関心を持ってもらうことを主な目的として1999年にレスコンを提案。2000年のプレ大会を経て、2001年から毎年開催している。レスコン開催の背景や主催者の思いは、「ロボットを遠隔操作し、優しく・素早く・安全に救助せよ!! ――14チームがレスキュー活動に挑戦」の記事が詳しい。ぜひご一読いただきたい。
本コンテストのミッションは、6分の1スケールの市街地模型の中で要救助者役の人形(公式愛称:ダミヤン)を救助することだ。一見すると「本当の災害現場はこんなものではない。レスキューごっこじゃないか」と思われるかもしれない。しかし、レスコンにはレスキューロボットを実現するためのいくつものエッセンスが詰まっている。
本稿では、岡山予選で初めてレスコンを見た「ハイパーレスキューおかやま(岡山市特別高度救助隊)」の副隊長 服部良介さんのコメントも交えながら、レスコンが内包するレスキュー技術とレスキュー活動への思いを伝えたい。
参加チームはライバルではなく、一緒に救助する仲間
レスコン本選では2チームが同時にミッションに取り組む。ミッションの課題を達成するとポイントが付与されるが、得点を競っているわけではない。両チームは協力し、互いが最高のレスキュー活動を行えるように全力を尽くす。そのためにコントロールルームには両チーム間に専用通信が用意され、チャットや音声で情報をシェアしている。ファイナルミッションでは、救助するダミヤンのうち1体が相手寄りのフィールドにいるため、ロボット同士が交差する場面もある。このため、道を譲り合ったり、除去したガレキの置き場に配慮したりする必要があるので、チーム間のコミュニケーションは重要なのだ。
チームの交流は競技中だけではない。競技スケジュールが公開されると、事前にお互いのロボットの特性や機構、想定している救助の流れなど細かな情報交換をしているそうだ。
例えば、本選で最高得点を獲得した「とくふぁい(徳島大学 ロボコンプロジェクト)」の1号機は災害現場で要救助者の探索を行うマルチコプターだ。高台から飛び立ち上空から市街地を一望し、映像をコントロールルームへ送信する。その情報は、「レスキューやらまいか(静岡大学ロボットファクトリー)」にシェアされた。レスキューやらまいかのチームリーダーは「ガレキの配置などを教えていただいて、助かりました」と語る。レスキューを題材にしたロボットコンテストらしいところだ。
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