サプライヤーから自動車メーカーへの転職で注意すべきポイントとは:MONOist×AUTOMOTIVE JOBS 転職市場動向
自動車業界の転職市場動向をレポートする「MONOist×AUTOMOTIVE JOBS 転職市場動向」。自動車業界全体の求人件数は前月比4%減、前年同月比19%増でした。
本記事は自動車業界の転職サイト
「オートモーティブ・ジョブズ」からの転載です。
自動車業界全体の求人件数は前月比4%減、前年同月比19%
最新のオートモーティブ・ジョブズのデータによると、自動車業界全体の求人件数は前月比4%減、前年同月比19%増でした。
前月と比べて「生産技術」(3%増)、「研究開発」(2%増)の求人件数は増加しているものの、ほかの職種は軒並み減少。特に「SCM・生産管理」(15%減)、「実験・評価・解析」(12%減)、「アプリケーションエンジニア・プロジェクトマネージャー」(11%減)の下がり幅が大きくなっています。
求人件数が減少したのは、世界経済の不透明さから中途採用を縮小している企業が増えたことに加え、4〜6月中に新しく出た求人のなかで募集を終えるものが出てきたことが理由として挙げられます。
サプライヤーから自動車メーカーへの転職は、仕事内容が変わる可能性も
今月は、自動車部品メーカーから自動車メーカーへの転職事情についてお話しします。
現在の自動車市場は、世界最大市場の中国と2番手の米国で販売が減少しています。自動車メーカーは自動車市場の動向によって業績が左右されるため、なかには中途採用に慎重な姿勢を見せているところも。一方、長期的には自動車市場が復活すると見込み、引き続き中途採用に力を入れている自動車メーカーもあります。
自動車メーカーの中途採用の注力度は各社によって異なりますが、共通しているのは自動運転などの新技術に関わるポジションのニーズが高いこと。自動車メーカー内で新技術に知見があるエンジニアはまだまだ足りていないため、自動車部品メーカーでこうした経験がある方の採用が活発になっています。
特に、画像認識技術や自動走行制御機能など、実際に新技術の開発に携わっていた方は引っ張りだこの状態。メーカーのなかには特定の経験を応募条件として定めず、組み込みやアプリケーション開発の経験がある方を幅広く募っているところもあります。
自動車部品メーカーから自動車メーカーへの転職での注意点は、仕事内容がガラッと変わってしまう可能性があること。他社との共同開発を統括するプロジェクトマネージャーのポジションや、部品の価格交渉を担当するポジションに就けば、実際の開発業務からは離れてしまいます。
自動車メーカーに転職すると年収などの条件面がよくなる可能性は高いですが、自分が転職で条件アップをかなえたいのか、プレイヤーとして現場で手を動かし続けたいのかをきちんと考えたうえで検討するのが大切です。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- お勧めしたい「夏休み」の過ごし方
まとまった時間が取れる夏休みにこそ、自分のこれからの仕事についてじっくり考えてみるのもいいのではないだろうか。転職を考えている方はもちろん、転職を考えていない人にもお勧めしたい夏休みの過ごし方について転職コンサルタントに話を聞いた。 - 自動車業界のAI求人動向
自動車業界では今、AI技術者がさまざまな分野で必要とされている。自動車業界におけるAI関連の転職はどのような状況なのか。転職コンサルタントに聞いた。 - 機械系技術者、自動車業界でのニーズや採用動向
CASEなど新潮流で電気、ソフトウェア、制御などのエンジニア求人が活況な自動車業界。ではこれまで自動車業界の中心的存在であった機械系技術者の採用はどうなのだろうか。転職コンサルタントに聞いた。 - 5年で求人が3倍増、活況を呈する自動車業界の転職事情
日本の産業をけん引してきた自動車業界で、求人がここ5年で3倍になるなど大幅に増加している。その背景を転職コンサルタントに聞いた。 - OA機器メーカーから自動車業界への転職が増えている理由
近年、OA機器業界から自動車業界に転職する人が増加している。どのような背景があり、なぜ自動車業界なのか。転職コンサルタントに聞いた。 - 「勝手にブレーキをかけてくれる」と45%が認識――自動ブレーキにまつわる誤解とリスク
障害物を検知してブレーキ制御を行い、事故を防いでくれる自動ブレーキ。ですが、その機能を過信しすぎてはいないでしょうか。自動ブレーキはいつでもあなたを守ってくれるとは限りません。自動ブレーキが働くのはどのような条件のときなのか、自動ブレーキとどのように付き合うべきかを解説します。