名刺大FPGA開発ボードの後継モデルを発売、新たに無線モジュールを追加:組み込み開発ニュース
アヴネットは、FPGA開発プラットフォームの最新版「Ultra96-V2」の販売を開始した。新たに無線モジュールを搭載し、スマートホーム、自動運転車、工業制御など、IoTアプリケーションや工業グレードのAI開発を支援する。
アヴネットは2019年7月25日、FPGA開発プラットフォームの最新版「Ultra96-V2」の販売を開始したと発表した。新たに無線モジュールを搭載し、スマートホーム、自動運転車、工業制御など、IoT(モノのインターネット)アプリケーションや工業グレードのAI(人工知能)開発を支援する。価格は2万9800円だ。
Ultra96-V2は、2018年に発売した「Ultra96」の後継機。XilinxのプログラマブルSoC「Xilinx Zynq UltraScale+ MPSoC」を搭載する開発ボードだ。Ultra96同様、Linaroが提唱する「96Boards Consumer Edition」仕様に準拠している。大きさは85×54mm。USBやMini DisplayPortなどのインタフェース、2GBのLPDDR4メモリ、16GBのmicroSDなどを搭載する。
新機能として、Microchip Technology製Wi-Fi、Bluetooth無線モジュールを新たに追加。オプションで、802.11b/g/n Wi-Fi、Bluetooth 5 Low Energyをサポートする。
過酷な環境での利用を見込み、工業用温度グレードにもオプションで対応する。Infineon製統合電源管理IC(PMICS)を使用して、電力制御や監視もできる。
さらに、シンコムや東京工業大学の協力を得て、ニューラルネットワークの学習からFPGAへの実装までが最短約72時間で完了できる他、ロジックの使用率は50%以下、システム消費電力は一般的なGPUと比べて約4分の1にできる。
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