AIによるCT金属アーチファクト低減技術を開発:医療機器ニュース
イーグロースは、AIを用いて、CTの金属アーチファクトを低減可能な技術を開発した。アーチファクトの少ない画像として自動修正し、骨組織の乱れだけでなく、軟組織の補填もできる。
イーグロースは2019年7月16日、AI(人工知能)を用いて、CTの金属アーチファクトを低減可能な技術を開発したと発表した。AIが自動でアーチファクト部を認識し、アーチファクトの少ない画像として自動修正する。骨組織の乱れだけでなく、軟組織も補填できるため、医療現場の負担軽減につながる。
口腔CTに多く含まれる金属アーチファクトは、手術、診断、放射線治療を阻害する。従来の低減技術は、CT装置で取得するデータを利用するため、CT装置に付随する上、低減機能のないCT装置を導入している医療機関も多い。その場合、技師または専門医が手作業で除去することが一般的で、作業負担が大きい。
そこで同社は、深層学習技術のGAN(敵対的生成ネットワーク)技術を応用した金属アーチファクトの低減技術を開発した。また、本技術を利用し、口腔外科分野の3D-CTに対し、金属アーチファクトを低減可能なAIも開発した。
本技術はCTデータのみで低減演算が行え、単独サービスまたは製品として提供できる。さらに、学習済みAIモデルは市販ゲーム用PCを用いても、3D-CTデータに対して約30秒〜1分程度で低減演算が完了する。
今後は、京都大学および奈良県立医科大学と共同で、手術計画、放射線治療への支援手法の応用技術開発を行い、企業へAIによる修正作業支援サービスの提供を検討していく予定だ。
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