第2の創業期迎えたキヤノンITS、「2025年の崖」はホップステップジャンプで克服:製造マネジメントニュース(1/2 ページ)
キヤノンITソリューションズ(キヤノンITS)が新たな経営体制や今後の事業目標などについて説明。新社長の金澤明氏は「当社は、現在第2の創業期、成長期に入っている。今後は、規模と利益の両方を追求し、キヤノンMJグループのITソリューション戦略の中核的役割を担っていく」と意気込む。
キヤノンITソリューションズ(以下、キヤノンITS)は2019年7月30日、東京都内で会見を開き、新たな経営体制や今後の事業目標などについて説明した。
キヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ)グループの2019〜2021年の中期経営計画では、キヤノンITSが大きな役割を担うITソリューション事業の売上高を、2018年の1977億円から2021年には2300億円に伸ばすことを見込んでいる。さらに、2025年には3000億円の売上高も視野に入る。
同年3月末にキヤノンITSの新社長に就任した金澤明氏は「2003年にキヤノンMJグループに加わった当社は、現在第2の創業期、成長期に入っている。今後は、規模と利益の両方を追求し、キヤノンMJグループのITソリューション戦略の中核的役割を担っていく」と意気込む。また、この第2の創業期における顧客との関係性を「共創パートナー」と位置付け、「DX(デジタルトランスフォーメーション)を成功させる、真に頼れるITパートナーになる」(金澤氏)という。
「2025年の崖」に向けた取り組みも強化
キヤノンITSは、国内製造業にとっても大きな課題になっている「2025年の崖」に向けた取り組みも強化している。
この「2025年の崖」は、経済産業省 商務情報政策局が2019年3月に発表した「DXレポート 〜ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開〜(以下、DXレポート)」をきっかけに注目を集めるようになった問題だ。同レポートでは、日本企業の競争力強化にはDXが必須であるものの、既存のITシステムが「事業部門ごとに構築されている」「過剰なカスタマイズによって複雑化、ブラックボックス化している」ためデータ活用ができず、「経営者がDXを望んでも、既存ITシステムの問題を解決し、業務自体の見直しを進めることへの現場サイドの抵抗が大きい」ことが指摘されている。
金澤氏は「日本文化の特徴として細やかさがあるが、それを追求した結果、ユーザー側はITシステムに個別要件を盛り込み、SIerはそれを忠実に堅牢に作り込む。その結果としてできた『2025年の崖』の原因は、われわれSIerにもある」と述べる。
今まさに、この崖を前にして各企業は決断を迫られているが、「多くの経営者は『変える決意』を持っているが、何をすべきかまでは把握できていない」(金澤氏)。キヤノンITSは、崖を飛び越え、DXの大地を走れるように、ホップ、ステップ、ジャンプの3段階でDXに取り組むことを提案している。そして、ホップは「ITシステムの整理と見極め」、ステップは「SoR(System of Record)の維持/SoE(System of Engagement)のエンハンス」、ジャンプは「デジタルを駆使した価値創出」になる。
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