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深刻化する中小製造業の人手不足――労働力人口の減少と大企業志向の高まり2019年版中小企業白書を読み解く(1)(2/6 ページ)

中小企業の現状を示す「2019年版中小企業白書」が公開された。本連載では、中小製造業に求められる労働生産性向上をテーマとし、中小製造業の人手不足や世代交代などの現状、デジタル化やグローバル化などの外的状況などを踏まえて、同白書の内容を4回に分けて紹介する。第1回は、中小企業の人手不足の現状を明らかにするとともに、人手不足の状況下での雇用の在り方について解説する。

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中小製造業の雇用環境は悪化

 次に労働者側の状況を見てみよう。まずは日本の人口の推移と年齢別構成比について確認する(図4)。日本の人口は2008年をピークに、2011年以降は減少が続いており、将来的にも減少が続く見込みとなっている。内訳について見ると、64歳以下の生産年齢人口が減少傾向にある一方、75歳以上の高齢者人口の割合が増加し続けていくことが分かる。

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図4:年齢別人口推計の推移(クリックで拡大)出典:中小企業白書2019

 既に、地方部では人口が大きく減少している。図5は、市区町村別に見た1990年から2015年までの日本の人口変化だが、これを見ると東京、大阪、名古屋など都市部の人口は増加しているが、地方部の人口は大きく減少しており、都市部への人口集中と地方の過疎化が顕著となっている。先に見たように今後、日本の人口は2050年までに約1億200万人(2015年対比で約2500万人減)まで減少すると予想されており、都市部と地方部の人口格差はさらに拡大することが見込まれる。

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図5:市区町村別に見た日本の人口変化(1990〜2015年)(クリックで拡大)出典:中小企業白書2019

 都市部や地方部といった各地域と中小企業の関係性についても見てみよう。図6と図7は市区町村別に見た中小企業の事業所数の割合と、中小企業の事業所に勤務する従業者数の割合である。この図では、地図上で赤色が濃い地域ほど、中小企業の割合が高いことを示している。これを見ると、特に人口減少が顕著な地域において、中小企業の事業所数および中小企業の事業所に勤める従業者数の割合が高い。こうした地域では、現在だけではなく将来にわたって人手不足がさらに厳しくなることが予想できる。

photophoto 図6(左)市区町村別に見た中小企業の事業所数の割合(2016年)と、図7(右)市区町村別に見た中小企業の事業所に勤める従業者数の割合(2016年)(クリックで拡大)出典:中小企業白書2019

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