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科学技術的に優れた発明を顕彰する「全国発明表彰」受賞者発表:製造マネジメントニュース
発明協会は優れた発明、意匠を顕彰する「令和元年度全国発明表彰」受賞者を発表した。恩賜発明賞は日立製作所が発明した「英国の社会インフラとなった高速鉄道車両システムの意匠」が受賞した。
発明協会は2019年5月23日、優れた発明、意匠を顕彰する「令和元年度全国発明表彰」受賞者を発表した。
第1表彰区分で表彰された発明は以下の通り。第1表彰区分は科学技術的に秀でた進歩性を有し、かつ顕著な実施効果を上げている発明などを対象としている。
第1表彰区分
- 恩賜発明賞:「英国の社会インフラとなった高速鉄道車両(Class800)システムの意匠」(意匠登録第1486294号) 日立製作所
- 内閣総理大臣賞:「出入力性能に優れた長寿命大型二次電池の発明」(特許第3769291号) 東芝
- 文部科学大臣賞:「周期性の低いカラーフィルター配列を用いたデジタル撮像素子の発明」(特許第5054856号) 富士フイルム
- 経済産業大臣賞:「低速高圧流動を用いたバレル研磨機の発明」(特許第5555383号) チップトン
- 特許庁長官賞:「重ね鋼板のレーザー溶接方法の発明」(特許第5902400号) トヨタ自動車、中央発條、浜松ホトニクス
- 発明協会会長賞:「電気機器の小型高効率化に寄与する電磁鋼板の発明」(特許第5644680号) JFEスチール、JFEテクノリサーチ
- 日本経済団体連合会会長賞:「位置合わせ速度と精度を両立させたディスプレイ用露光装置の発明」(特許第6185724号) キヤノン
- 日本商工会議所会頭賞:「共存水分補正機能を備えた赤外線ガス分析装置の発明」(特許第3771849号) 堀場製作所、HORIBA Europe
- 日本弁理士会会長賞:「強度・軽量・演奏性を兼ね備えるエレクトリックバイオリンの意匠」(意匠登録第1520260号) ヤマハ
- 朝日新聞社賞:「乾式オフィス製紙機の発明」(特許第6127882号) セイコーエプソン
- 発明賞:12の発明が受賞
また、第2表彰区分で表彰された発明は以下となる。第2表彰区分は科学技術的に秀でた進歩性を有し、かつ中小企業やベンチャー企業、大学、公設試験研究機関などの研究機関に係る発明などを対象としている。
第2表彰区分
- 21世紀発明賞:該当なし
- 21世紀発明奨励賞:「映像・音声を柔軟に切り替え可能な同期方式の発明」(特許第6126583号) 日本放送協会
- 21世紀発明奨励賞:「近赤外光による液体爆発物等の検査技術の発明」(特許第5207462号) 大阪大学
- 21世紀発明奨励賞:「超音波楕円振動切削技術の発明」(特許第4973827号) 名古屋大学、神戸大学
なお、令和元年度全国発明表彰式は2019年6月10日に開催された。
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