予知保全が可能なエッジ・クラウド間機械学習ソリューションを発表:人工知能ニュース
NXP Semiconductorsは、Microsoftと共同開発した予知保全向けエッジ・クラウド間機械学習ソリューションを発表した。Azure IoTユーザーに、異常検出向けAIと機械学習機能を提供する。
NXP Semiconductors(NXP)は2019年5月13日、Microsoftと共同開発した予知保全向けエッジ・クラウド間ML(機械学習)ソリューションを発表した。IoT(モノのインターネット)向けクラウドサービス「Azure IoT」のユーザーに、異常検出向けAI(人工知能)とML機能を提供する。
新ソリューションは、NXPのi.MX RT106Cクロスオーバープロセッサを用いた、小規格で低消費電力のSOM(System On Module)と、センサー一式、Anomaly Detection Toolboxで構成される。
i.MX RT106Cクロスオーバープロセッサは最大600MHzで駆動し、エッジでのセンサーデータをローカルでリアルタイムに収集、分析する。
Anomaly Detection Toolboxは、ランダム・フォレストやシンプルベクターマシン(SVM)など、さまざまなMLアルゴリズムを使用。ローカルとクラウドを組み合わせて、デバイスが正常に動作するかモデリングしたり、異常挙動を検出したりする。
これによって、クラウド帯域幅要求を大幅に低減し、極めて低いコストでフルオンラインロギングおよびプロセッシング機能を維持できる。対象となるアプリケーションは、回転部品の予知保全、存在検出、侵入検出などだ。
新ソリューションでは、シームレスにAzure IoT Cloudに接続して、クラウドへ容易にデータを伝送できる。ユーザーは、クラウドでのデータを視覚化して、強力なデータ分析ツールを使えるようになり、エッジデバイスでの展開に向けた挙動予知モデルのトレーニングが可能になる。
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