アイシングループで車載ソフト会社を統合、従業員数は合わせて700人に:車載ソフトウェア
アイシン精機とアイシン・エィ・ダブリュは2019年4月23日、グループ内の車載ソフトウェア開発子会社の経営統合に向けて基本合意したと発表した。対象となるのは、アイシン・コムクルーズとエィ・ダブリュ・ソフトウェアの2社。2019年10月の経営統合を目指す。
アイシン精機とアイシン・エィ・ダブリュは2019年4月23日、グループ内の車載ソフトウェア開発子会社の経営統合に向けて基本合意したと発表した。対象となるのは、アイシン・コムクルーズとエィ・ダブリュ・ソフトウェアの2社。2019年10月の経営統合を目指す。
2社の統合により、グループ内のソフトウェア専門会社を一元化し、効率的な開発体制を構築する。また、電動化や知能化、コネクテッドに対応するソフトウェアの開発や実装スピードの加速、品質やスキルの向上にもつなげる。
アイシン・コムクルーズとエィ・ダブリュ・ソフトウェアの従業員数を合わせると700人近い人員となる。アイシン・コムクルーズは自動車向けの組み込みソフトウェアの開発、評価を行う。名古屋市に本社があり、刈谷2カ所と盛岡、福岡にも事業所を持つ。従業員数は521人。エィ・ダブリュ・ソフトウェアはカーナビゲーションシステム用のアプリケーションソフトや地図データベースを開発する。従業員数は175人で、札幌市の本社の他、岡崎に拠点がある。
アイシングループでは2017年4月からバーチャルカンパニー体制を導入。パワートレインや走行安全、車体、情報系、アフターマーケットなど事業ごとにグループ内の企業同士の連携を強化している。情報、電子領域のバーチャルカンパニーにはアイシン精機とアイシン・エィ・ダブリュが参加している。
アイシン精機は、デンソーやアドヴィックス、ジェイテクトと共同出資で、自動運転車の統合制御用ECU(電子制御ユニット)のソフトウェアを開発する新会社「J-QuAD DYNAMICS(ジェイクワッド ダイナミクス)」も立ち上げている。アイシングループとして車載ソフトウェア体制を強化することは、ジェイクワッド ダイナミクスの競争力にもつながるといえる。
関連記事
- ソフト開発は「ツールとインフラが9割」、トヨタの先行開発会社が重視すること
トヨタ自動車、デンソー、アイシン精機の共同出資会社であるToyota Research Institute Advanced Development(TRI-AD)は2019年1月30日、東京都内で事業説明会を開いた。 - 「トヨタと今まで以上に距離縮める」、デンソーら4社の新会社が担う役割とは
デンソーは2018年10月31日、東京都内で開いた決算説明会において、アイシン精機、アドヴィックス、ジェイテクトと立ち上げる新会社の狙いについて言及した。 - デンソーアイシンらの新会社、社名は「J-QuAD DYNAMICS」「BluE Nexus」
デンソー、アイシン精機、アドヴィックス、ジェイテクトは2018年12月26日、共同出資で立ち上げる新会社の概要を発表した。 - 広がるデンソーの電動化分野、トヨタの事業移管や特許開放、アイシンとの新会社で
デンソーは2019年4月5日、自動車の電動化領域で開発、生産を強化するため、2018〜2020年度までの3カ年で1800億円を投資すると発表した。この一環で、2020年5月にはデンソーの安城製作所に「電動開発センター」を設立する。 - ジェイテクトがEPS用ソフトウェアの開発体制を拡充、100人規模の増員も
ジェイテクトは2019年4月9日、ステアリング事業のソフトウェア開発体制を強化すると発表した。自動運転など高度化する技術ニーズに応えるため、2019年夏から東刈谷事業場(愛知県刈谷市)でソフトウェア開発をスタートする。花園事業場やジェイテクトIT開発センター秋田に次ぐソフトウェア開発拠点となり、それぞれの拠点で取引先のニーズに応じたソフトウェア開発を行う。 - アイシン精機はなぜイノベーションに注力するのか
アイシン精機は2015年1月に新たにイノベーションセンターを設置し、既存の事業領域にとらわれない新たな事業の柱を生み出す取り組みを強化する方針を示す。なぜ、アイシン精機は新たな事業を創出しなければならないのか。その第一弾プロトタイプ発表の会場で、同社イノベーションセンター長で常務役員の江口勝彦氏に話を聞いた。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.