ソフト開発未経験でもカッコいいアプリを――IoTへの挑戦を支援するベンチャー:組み込み開発 インタビュー(1/2 ページ)
優れたデザインのIoTアプリを簡単に開発できる「conect+」は、ソフト開発の知見が不足しIoTプロジェクトのPoCに悩む製造業から注目を集めるサービスだ。同サービスを提供するconect.plus社長の坂井氏にサービスの概要や目指す今後の姿を聞いた。
いまや業種、形態を問わず、さまざまな企業や個人がIoT(モノのインターネット)サービスの開発を進めている。製造業においても、IoTを用いた生産設備のスマート工場化や、自社製品への“つながる価値”を付与する取り組みが各所で見られるところだ。
企業におけるIoTサービス開発では、PoC(Proof of Concept:概念実証)をどれだけ早く構築し、サービスの価値を説得力をもって社内に説明できるかがカギとなる。その中でも、スマホアプリやWebアプリケーションはIoTサービスのユーザーエンゲージメントを左右する重要な役割を担うため、そのデザインや使い勝手はPoCの段階といえども良好な方が今後の事業展開を望みやすい。
一方でPoCをスモールスタートで進める場合、特に製造業企業ではアプリ開発やユーザーインタフェース設計の経験がある技術者は確保できないことが多い。その際、ハードウェア技術者が慣れないIoTアプリ開発やユーザーインタフェース設計作業を手ずから行うため、PoCの展開が遅延してしまうことやアプリの見た目、使い勝手がいまひとつなものとなってしまうことがあった。
このような課題の解決を目指し、ソフトバンクの新規事業開発から生まれたconect.plus(コネクトプラス)。conect.plusはソフトバンクで多くのIoTプロジェクトを手掛けた坂井洋平氏が社長を務めるスタートアップ企業で、IoTアプリを簡単に作成できるサービス「conect+」を提供する。坂井氏にサービスの概要や目指す今後の姿を聞いた。
優れたデザインのIoTアプリをPoCから、サービス開発の迅速化も
conect+はさまざまなIoTデバイスと連携し、デバイスで取得したセンサーデータの可視化やデバイスを制御するアプリが簡単に作成できるクラウドサービスだ。IoTアプリを生成する「conect+ クリエイター」では、美しいデザインのウィジェットが100種類以上と豊富に用意されており、Webブラウザ上でドラッグ&ドロップを行うことでアプリのインタフェース設計ができる。
同サービスで開発したIoTアプリは、iOSやAndroid上で動作する専用スマホアプリ「conect+ アプリ」上に自動でデプロイされる。このため、プログラミングやデザインに関する知識を必要とせず、直感的かつ迅速にグラフィカルなIoTアプリの開発を可能としたことが特徴だ。
IoTアプリの開発だけでなく、IoTデバイスの追加や管理、収集したデータの可視化なども「conect+クラウド」から実行できるため、気軽に扱えるIoTプラットフォームとしても利用できる。conect+とIoTデバイスはスマホ(conect+ アプリ)を介したBLEによって接続できる他、Web API(GET、POSTメソッド)経由でIoTゲートウェイや他のIoTプラットフォームから接続することも可能だ。
conect+の料金プランは無料の「フリープラン」から、100デバイスまで接続できる月額9980円(税別)の「プレミアムプラン」まで4種類をラインアップする。個人ユーザー利用から企業ユーザーのPoC開発までをカバーしており、価格も定額制と分かりやすく設定している。
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