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クラウドだけじゃないぞ、産業IoTでエッジ領域との親和性を訴えるAWSハノーバーメッセ2019(1/2 ページ)

AWSは、ハノーバーメッセ2019(2019年4月1〜5日、ドイツ・ハノーバーメッセ)において、パートナー企業などと共同で、同社のクラウドプラットフォームをベースとした産業用IoTの各種アプリケーションやソリューションを提案。クラウドインフラとしての強みだけでなく、エッジ領域との親和性を強調したのが特徴である。

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 Amazon Web Services(アマゾンウェブサービス、AWS)は、ハノーバーメッセ2019(2019年4月1〜5日、ドイツ・ハノーバーメッセ)において、パートナー企業などと共同で、同社のクラウドプラットフォームをベースとした産業用IoT(モノのインターネット)の各種アプリケーションやソリューションを提案。クラウドインフラとしての強みだけでなく、エッジ領域との親和性を強調したのが特徴である。

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ハノーバーメッセ2019のAWSブース。パートナーと共同でさまざまな産業用IoTに関連するソリューションを提案した(クリックで拡大)

クラウドからエッジまで対象を広げるAWS

 AWSはクラウドプラットフォーマーとして有名で、IT(情報技術)では強みがあってもOT(制御技術)側とは従来は関係性が薄かった。しかし、産業用IoTの領域では、ITとOTが融合し、それぞれの領域でそれぞれの情報を活用していくことが求められる。一方で、OTの領域はITなどのデジタル技術による統一性が用意されておらず、データの収集や、データフォーマットの統一や整形などに大きな負担が必要になり、企業の状況や工場などの環境によっては、分析や活用までにはなかなか行き着けないという課題がある。

 さらに、リアルタイム性が要求される場合やデータのプライバシー保護などの観点から、クラウドに上げられないデータも数多く存在することが明らかとなり、エッジコンピューティング領域の重要性が注目されるようになった。

 AWSではクラウド基盤として強みは持つものの、そこに行き着く前に産業用IoTプロジェクトが止まってしまうという状況が生まれていた。これらを背景にAWSでは産業領域でデータの生成から収集、蓄積、分析、活用までのサイクルを一元的にカバーできるように領域の拡大を推進。特にエッジ領域でのポートフォリオ拡充に取り組んできた。

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AWSが訴える「AWS Manufacturing Reference Architecture」(クリックで拡大)出典:AWS

 その中で注目を集めるのが「AWS IoT Greengrass」である。「AWS IoT Greengrass」は、AWSをエッジデバイスにシームレスに拡張するもの。エッジデバイスはクラウドで生成したアルゴリズムなどを使用しながら、ローカルでリアルタイム性を保持しながら動作することが可能になる。インターネットに接続されていない場合にも、AWS Lambda関数の実行や機械学習モデルに基づく予測の実行、デバイスデータの同期の維持などを実行することなどが可能となる。

 ハノーバーメッセ2019では、パートナー企業との出展により特にエッジ領域との親和性を訴えたのが特徴だ。象徴的だったのが三菱電機の展示である。三菱電機はスマートファクトリーをイメージしたデータ連携の仕組みをAWS内に示したが、「AWS IoT Greengrass」に対応したPLCのプロトタイプを参考出品した。AWS上で作ったAIモデルなどを三菱電機のPLC上で活用できるようにすることをイメージしたものだ。ただ、詳細については「何も説明できない」(ブース説明員)としていた。

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三菱電機が参考出品した「AWS IoT Greengrass」に対応したPLCのプロトタイプ(クリックで拡大)

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