Google Cloudは機械学習を手軽に実現、エッジで画像の推論にも対応:人工知能ニュース
Google Cloudが2019年4月9〜11日に開催した年次カンファレンス「Google Cloud Next ’19」で、エッジで動作する画像解析の推論モデルを容易に構築できるサービス「Cloud AutoML Vision Edge(以下、Vision Edge)」が発表された。
Google Cloudが2019年4月9〜11日に開催した年次カンファレンス「Google Cloud Next ’19」(米国カリフォルニア州 サンフランシスコ)。同イベントの来場者は約3万人に達し、新たに発表された事項は122項目にものぼる。
同社日本法人であるグーグル・クラウド・ジャパンは2019年4月19日、東京都内で記者向けにGoogle Cloud Next ’19の発表内容を解説するセミナーを開催した。同イベントではインフラからハイブリッドクラウド「Anthos」、セキュリティなど多岐にわたる新機能が紹介された。その中でも、エッジで動作する画像解析の推論モデルを容易に構築できるサービス「Cloud AutoML Vision Edge(以下、Vision Edge)」は、製造業ユーザーにとって興味深い機能だ。
Google Cloudでは、機械学習に関する深い知識を必要とせず機械学習モデルを作成できる「Cloud AutoML」の拡充を進める。Cloud AutoMLでは、ユーザーは学習に用いるアノテーション付きデータセットを用意しGoogle Cloudのグラフィカルなインタフェースを操作するだけで、アプリケーションに最適な機械学習モデルが自動で作成、学習、デプロイされる。
Cloud AutoMLで作成されるモデルは、これまでGoogleが研究を積み重ねてきた機械学習モデルを活用したもの(転移学習)となる。ユーザー側のチューニングなしでも一定の精度を確保しやすいことが特徴だ。
Cloud AutoMLでは現時点で、画像解析を扱う「Vision」の他、自然言語を扱う「Natural Language」、翻訳モデルを作成する「Translation」等がベータ版として利用できる。
Google Cloud Next ’19で発表されたVision Edgeも既にベータ版が提供されており、同サービスはGoogle Cloud上でエッジデバイス用機械学習モデルの作成、学習を行うものとなる。主に、産業用PCやGoogleが開発したエッジAI(人工知能)用チップ「Edge TPU」クラスの性能を持つエッジデバイスを対象としており、スマートフォンやRaspberry Piなどシングルボードコンピュータクラスの性能では満足な性能を得られない可能性があるという。
その他、構造化データから予測的な知見を導出できる「Tables」や動画中のカスタムタグ情報を検知する「Video Intelligence」などのサービスも発表された。
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