トヨタらがUber新会社に10億ドル出資、ライドシェア向け自動運転車の開発加速:自動運転技術
トヨタ自動車、デンソー、ソフトバンク・ビジョン・ファンドは2019年4月18日(現地時間)、Uber(ウーバー)の研究開発部門Advanced Technologies Group(Uber-ATG)が基となる新会社に合計10億ドル(約1120億円)を出資すると発表した。これにより、Uberとトヨタ自動車はこれまで取り組んできたライドシェア向け自動運転車の開発を強化する。
トヨタ自動車、デンソー、ソフトバンク・ビジョン・ファンドは2019年4月18日(現地時間)、Uber(ウーバー)の研究開発部門Advanced Technologies Group(Uber-ATG)が基となる新会社に合計10億ドル(約1120億円)を出資すると発表した。これにより、Uberとトヨタ自動車はこれまで取り組んできたライドシェア向け自動運転車の開発を強化する。
内訳はトヨタ自動車とデンソーが6億6700万ドル(約746億円)、ソフトバンク・ビジョン・ファンドが3億3300万ドル(約372億円)となる。この出資に伴い、新会社の企業価値は72億5000万ドル(約8115億円)となる。
写真左から、デンソー 取締役副社長の若林宏之氏、Uber ATG責任者のエリック・メイホファー氏、Uber CEOのダラ・コスロシャヒ氏、トヨタ自動車 副社長の友山茂樹氏、ソフトバンク・ビジョン・ファンドのManaging Partnerであるアーヴィン・トゥ氏(クリックして拡大) 出典:トヨタ自動車
トヨタ自動車は2018年8月、Uberに5億ドル(約560億円)を出資し、ライドシェア向け自動運転車の共同開発を行っている。今回の投資と協業の拡大により、ライドシェア向け自動運転車の開発継続と、次世代自動運転キットの設計と開発、ライドシェア向け自動運転車の本格的な量産とサービスの実用化にめどをつけることを狙う。また、トヨタ自動車は、共同開発を推進するため、今後3年間で最大3億ドル(約335億円)の開発費を負担する。
トヨタ自動車はMaaS(Mobility-as-a-Service、自動車などの移動手段をサービスとして利用すること)向けに3種類の専用車両をそろえる計画だ。Uberとトヨタ自動車が共同開発する車両はこのうちの1つで、ミニバン「シエナ」をベースにしたハイブリッド車となる予定だ。Uberはこの車両を2021年から使う。
シエナベースのライドシェア向け自動運転車には、Uberの自動運転キットとトヨタ自動車の高度安全運転支援システム「ガーディアン」を搭載する。2つのシステムが二重に周辺を常時監視することで、安全性を高める。なお、Uberの自動運転キットが発信した車両制御のコマンドは車両の制御系に直接届かず、トヨタ自動車が提供する車両制御インタフェースを経由する。
トヨタ自動車が開発する他のMaaS専用車両には、人や貨物など多目的な近距離輸送に向けた大型サイズの電気自動車「e-Palette」と、短距離〜中距離のライドシェア向けとなる小型サイズの電気自動車がある。Uberはe-Paletteの企画や研究開発のパートナーでもある。
トヨタ自動車では、MaaS向け車両の販売比率について2030年ごろに全体の数%、地域によってはそれ以上の台数になると見込んでいる。新車販売への影響は懸念しておらず、MaaSで車両の稼働率が上がることで代替えサイクルが短縮し、需要を生むと見込んでいる。
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