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検査員登用試験でカンニング――スズキに生じた検査を軽視する姿勢:製造マネジメントニュース(1/2 ページ)
スズキは2019年4月12日、完成検査で発生した不適切行為に関する報告書と再発防止策を国土交通省に提出した。また、同社は適切な完成検査を受けていない可能性があり初回車検を受けていない約200万台の車両を対象にリコールを実施する意向を明らかにした。
スズキは2019年4月12日、完成検査で発生した不適切行為に関する報告書と再発防止策を国土交通省に提出した。また、同社は適切な完成検査を受けていない可能性があるとともに初回車検を受けていない約200万台の車両を対象にリコールを実施する意向を明らかにした。
スズキは2018年8月、完成検査工程における燃費と排出ガスの抜き取り検査に関して、走行モードから許容以上に逸脱(トレースエラー)したために無効な試験結果とすべきにも関わらず有効な試験結果としていたことを発表した。しかし同社は同年9月、トレースエラーの事案に加えて新たに測定結果の改ざんがあったことも発表し、国土交通省から完成検査における不適切行為の徹底調査と再発防止策を策定するよう指示を受けていた。
今回発表された調査報告書は弁護士や有識者などで構成された外部調査チームによって起案された。同報告書では、燃費と排出ガスの抜き取り検査に関して多くの不適切行為を指摘している。
- トレースエラーによる無効な試験結果を有効な試験結果として処理
- 試験室温度、湿度等の逸脱による無効な試験結果を有効な試験結果として処理
- ソーク(運転後の放置)時間、ソーク温度の逸脱
- 排出ガス成分値の書き換え
- 試験環境条件(温度、湿度、大気圧)の書き換え
- 希釈排出ガス流量の書き換え
- 測定データの複製
- 暖機運転における手順違反、燃料給油量や車両タイヤ空気圧の調整不足
その他、完成検査工程における全数検査や、燃費・排出ガス測定以外の抜き取り検査で以下の多岐に渡る不適切行為が見つかった。これらの行為は1981年6月頃から2019年1月頃まで行われたとの供述が得られているという。
- 制動力検査において、不適切な方法により合格の結果を得たなどの行為
- 走行、速度計検査において、作業手順に従わない検査方法により合格判定の数値を得たなどの行為
- かじ取り角度検査において、手で車体やタイヤを押すなどして合格の数値を出させた行為
- 前照灯主光軸検査において、車体を持ち上げたり押さえたりして合格の結果を得たなどの行為
- サイドスリップ検査において、サイドスリップテスターがロックされた状態で検査を行ったなどの行為
- 外観・構造検査において、トランスミッションオイルについて不合格とすべきものを合格として処理した行為
- 下回り・エンジンルーム検査において、不合格とすべきものを合格として処理したなどの行為
- 不良発見時の取り扱い時に、上司の指示により不合格であるものを合格として処理したなどの行為
- 完成車チェックシートの記入時に、他の検査員が記入した不合格の数値を合格範囲内の数値に書き換えたなどの行為
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