「デザイン思考でデジタル変革する」って何するの? 最初の一歩とは:イノベーションのレシピ(4/5 ページ)
IoTやAIなどの先進デジタル技術を活用し、業務プロセスやビジネスモデル変革を行う「デジタル変革」の動きが加速。この動きの入り口としてデジタル変革ワークショップなどの開催も広がっている。しかし、実際に「ワークショップが何になるのか」はまだまだ見えにくい。そこで、本稿ではこうした取り組みを進める富士通の「FUJITSU Digital Transformation Center」でのワークショップの内容を通じ、製造業の取り組みにどう役立つのかを紹介する。
IoTによる新規ビジネス創出の取り組み
「工場全体の最適化」は業務プロセス改善につながるため、発想なども一定の範囲に収まっているが、「IoTで未来を描く」をテーマとしたワークショップでは、さらに範囲が広がる中で、新たな形を作り出すという難しさがある。その中でも上流のビジネスアイデアのイメージを作るところまでをワークショップで行っている。
ワークショップの基本的な流れは以下の通りである。
- IoTについての紹介と関連技術などのインプット
- 業務上の体験共有
- アイデアカードを使ったアイデア作り
- アイデアからの深掘り
- ビジネススケッチを描く
「IoTで未来を描く」ワークショップなどを担当する富士通 オファリング推進本部 AI&IoTオファリング統括部 シニアマネージャーの西山聡一氏は「基本的にはバックキャストであるべき姿を探るということは変わらない。まずは既存の業務から離れて大きな夢を描くようなことが重要だ。しかし、非常に広範囲に及ぶので議論が発散しないようにしなければならない。そのさじ加減が難しく、ここでワークショップを活用してもらうイメージだ」と述べている。
以下で実際にワークショップのイメージを見てみよう。まず、IoTなどのトレンドのインプットと対象とする業務などの共有を進めた後にはアイデアカードをベースとしたアイデア作りに進む。
アイデアカードを選ぶ
さまざまな論点を含むアイデアカードが用意されており、解決したい社会課題や実現したい未来に近いものを選ぶ。壁面に表示されたカードをタッチするだけで簡単に拡大できたり、選択できたりする。こうした設備があるという点がワークショップを活用できる利点でもあるという。
アイデアカードで選んだものをさまざまな切り口で分類する
アイデアカードで選択したものは別画面で表示できるので、さまざまな切り口で分類することでそれぞれの関係性や新たな発展性などを生み出すことができる。
切り口はさまざまなものが可能で、コメントをアイデアカードに付け加えることも可能である他、手書きでコメントや相関性を追加することもできる。
最終的にこれらを重ねて、アイデアを具体的な形に落とし込んでいくという流れとなる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.