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オリンパスの「ICT-AIプラットフォーム構想」、医療と産業の両分野で展開製造業IoT(1/2 ページ)

オリンパスは2019年3月13日、東京都内で会見を開き、同社が事業を展開する医療、ライフサイエンス、産業分野に向けて「ICT-AIプラットフォーム構想」を立ち上げたと発表した。

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オリンパスの小川治男氏
オリンパスの小川治男氏

 オリンパスは2019年3月13日、東京都内で会見を開き、同社が事業を展開する医療、ライフサイエンス、産業分野に向けて「ICT-AIプラットフォーム構想」を立ち上げたと発表した。同社の経営方針として掲げる「“Business to Specialist” Company」に基づき、専門性の高い顧客(スペシャリスト)のワークフローの改善や業務負荷の軽減を目的とする。

 同社 技術統括役員 兼 技術開発部門長の小川治男氏は「当社の経営方針にある“Business to Specialist”は、プロフェッショナルにより良い道具を提供するという意味が強かった。しかしこれからは、その道具を使うためのより良い環境も提供する必要がある。そのための基盤となるのがICT-AIプラットフォームだ」と語る。

ICT-AIプラットフォームによる付加価値
ICT-AIプラットフォームによる付加価値。医療分野を例にとると、従来は3つの目的があったが、医療従事者の満足度向上という4つ目の目的が加わる。その基盤となるのがICT-AIプラットフォームだ(クリックで拡大) 出典:オリンパス

 今回構想を発表したICT-AIプラットフォームのベースになるのは、2017年に同社グループに加わった米国のImage Stream Medicalが、手術室と遠隔地の医師を4Kなどの高解像映像で結ぶ遠隔医療支援ソリューション「MedPresence」を展開するために構築したクラウドプラットフォームだ。MedPresenceは既に米国内数施設に導入した実績があり、個人情報も関わる医療分野で求められるセキュリティも高いレベルで実現している。

Image Stream Medicalが米国で展開する「MedPresence」
Image Stream Medicalが米国で展開する「MedPresence」(クリックで拡大) 出典:オリンパス

 もう1つベースになるのが、北米の産業分野向けに展開を始めている「Olympus Scientific Cloud」だ。マイクロソフトのクラウド「Azure」を用いており、同社製のセンサーや非破壊検査装置などを管理でき、校正証明書の検索やシックネスゲージの測定値ファイルの共有、製品ソフトウェアのバージョンアップなどの機能などを提供している※)

※)関連記事:オリンパスがAI活用を加速、プラットフォームにAzureを採用

 ICT-AIプラットフォームは、内視鏡や外科といった医療分野向けはMedPresenceを、工業用検査機器などの産業分野向けはOlympus Scientific Cloudをベースに構築していくことになる。基盤となるクラウドはAzureを用いる。小川氏は「医療と産業、それぞれの分野に合わせて基盤構築を進めるのではなく、できるだけ共通化していく。その共通基盤の上に、各分野や地域の顧客に求められるアプリケーションを用意していくことになるだろう」と述べる。なお、分野や地域によって要求が異なること、医療分野では法規制の影響があることから「ICT-AIプラットフォームの市場投入時期は現時点では明確には言えない」(同氏)とした。

医療分野向けICT-AIプラットフォーム産業分野向けICT-AIプラットフォーム 医療分野向け(左)と産業分野向け(右)のICT-AIプラットフォームのイメージ図。基盤は共通化していく方針(クリックで拡大) 出典:オリンパス

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