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紙切れ1枚からの起業、ソニーがスタートアップ創出ノウハウを外部提供へイノベーションのレシピ(3/4 ページ)

ソニーは、2014年から取り組んできた社内スタートアップの創出支援制度で得たノウハウを外部提供し、スタートアップ支援に本格的に乗り出すことを発表した。

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アイデアを世に出す「Marketing」

 「Marketing」では、クラウドファンディングとEコマースを兼ねた「First Flight」の活用や、独自に開拓してきた100以上の販路を紹介。アメリカ市場参入に向けた初期マーケティングなども支援する。

 小田島氏は「オンラインとリアルを組み合わせたマーケティング活動が可能となる。ソニーが持つ独自の販路や社内販売などの枠組みも活用できる」と利点について語っている。

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クラウドファンディングとEコマースを兼ねた「First Flight」(クリックでWebサイトへ)出典:ソニー

事業をスケールさせる「Expansion」

 「Expansion」では、新規事業のさらなる拡大に向けて、協業や資金調達、戦略的提携の企画から実行までを一気通貫で支援する。ソニーグループに加えて、他社や自治体などそれぞれのニーズに合わせた形で支援する。

 先述したようなソニーグループの企業にビジネスとして取り込まれたケースなどに加え、「Sony Innovation Fund」や「Sony Bank GATE」などによる出資や、ソニーから独立して外部へ進出した例などもあるという。

 小田島氏は「スタートアップ創出において最も高い壁がこの事業をスケールさせるということだと捉えている。大企業の門戸をたたくのもこの時期が多い。SSAPでは最初から事業のスケールもイメージして支援することができる」と意義について語る。

ソニー内部の法務部門や知財部門とも連携

 こうしたオープンイノベーションの枠組みでは、知財面で折り合いがつかずに問題になるケースなども多いが「そもそもSSAPが法務や知財の担当役員の管轄内となっており、これらの連携も円滑に行える」(小田島氏)。

 また、SSAP内で生まれた知財についても「コンタミネーションが発生しないように、最初に定義を決めておき問題にならないようにしている。活動開始当初は、この当たりが本当に大丈夫かどうか懸念があったが、実際に5年間の活動を進めてきた中で、しっかりと知財も切り分けられることが分かってきた」と小田島氏は語っている。

 次ページでは、実際にSSAPを活用し事業化を進めたwena wrist、toio、京セラの事例を紹介する。

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