企業の先端技術活用、クラウドとロボットの利用率が高い:製造マネジメントニュース
財務省は、企業におけるIoT、AIなどの先端技術の活用状況に関する調査結果を発表した。何らかの先端技術を既に活用している企業は全体の約65%で、「クラウド」と「ロボット」の活用率が高いことが分かった。
財務省は2018年12月18日、企業におけるIoT(モノのインターネット)、AI(人工知能)などの先端技術の活用状況に関する調査結果を発表した。全国の1277社を対象とし、同年9月中旬〜10月中旬にヒアリング調査を実施し、その回答を分類した。
同調査によると、何らかの先端技術を既に活用している企業は全体の約65%という結果になった。先端技術のうち、「クラウド」と「ロボット」の活用率が高くなっており、それぞれ約39%、約37%が活用済みとしている。さらに、活用済みの技術のうち、最も重要度の高いものとして、34%の企業が「ロボット」と回答した。
先端技術の活用目的は、「業務効率の向上」(約66%)が最も高く、「コストの削減」(約37%)、「既存製(商)品などへの付加価値の付与」(約20%)、「既存事業の規模拡大」(約18%)が続く。また、約94%の企業が先端技術の活用で何らかの成果があったと回答している。
一方、活用予定や検討中の先端技術としては、「AI」が約32%で最も多かった。次いで、「IoT」が25%、「ロボット」が17%となっている。重要度は高いものの、活用できない技術のうち、最も優先度の高いものは、「ロボット」「AI」「ビッグデータ」が上位を占めた。活用できない理由としては、「人材(IT技術者等)の不足」や「費用対効果が低い」などの意見が多くなっている。
また、先端技術の活用に必要性を感じないとする企業は8.8%で、その理由として「業務の性質上、先端技術の活用はなじまない」「必要性を感じない」といったものが見られた。
同調査では、この他に、先端技術を活用した企業の取り組み事例などを紹介している。
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