Shiftallの自社製品第1弾はIoT冷蔵庫、ビールを飲んだら自動で補充:CES2019
Shiftall(シフトール)は、自社開発の専用冷蔵庫と組み合わせたクラフトビールの自動補充サービス「DrinkShift(ドリンクシフト)」を開発。2019年内にサービスを開始する。
「CES 2019」のプレビューイベントとなる「CES Unveiled」で披露したDrinkShift専用冷蔵庫の試作機。上段はショーケースになっており、下段にはビールを12本冷やしておける。冷蔵庫のとなりにあるタブレット端末に表示されている「3」は、上段の1本+下段の2本の合計3本が冷蔵庫に入っていることを示している(クリックで拡大)
Shiftall(シフトール)は2019年1月7日、自社開発の専用冷蔵庫と組み合わせたクラフトビールの自動補充サービス「DrinkShift(ドリンクシフト)」を開発したと発表した。同年内にサービスを開始する予定。消費者向けエレクトロニクス展示会「CES 2019」(2019年1月8〜11日、米国ネバダ州ラスベガス)で実機展示を行う。
DrinkShiftは、スマートフォンアプリと専用冷蔵庫を組み合わせることで、庫内のビール残数やユーザーの飲むペースを自動で判断し、好きなビールを最適なタイミングで自宅やオフィスに届けるサービスだ。ユーザーはまず、DrinkShiftの専用スマートフォンアプリを用いて、好きなビールの銘柄を1本単位で組み合わせ、自分だけのビールセットを作る。そして、届いたビールをDrinkShift専用冷蔵庫に収納する。
専用冷蔵庫はIoT(モノのインターネット)機能を備えており、重量センサーなどにより庫内のビール残数をリアルタイムで計測するとともに、その計測結果からユーザーごとのビール消費ペースを学習する。そして、サーバ側アプリケーションと連動し、配送日数、消費ペース、残数から計算して“ビールを切らすことがないタイミング”で追加のビールセットを自動で発送する。
DrinkShiftのビールセットで選択できるビールは、国内外のクラフトビールを中心とした多数の銘柄を取りそろえる予定だ。また、初回以降に配送されるビールのラインアップは、アプリから都度変更することも可能。アプリ上で自分だけのビールセットを作るだけでなく、プリセットされたビールセットを選ぶこともできる。ユーザーの消費傾向を分析し、おすすめセットをレコメンドする機能の実装も予定している。
なお、DrinkShiftの専用冷蔵庫はキッチンではなく、書斎やリビングに置くことを想定している。このため、白やシルバーといった従来型冷蔵庫のデザインとは異なる筐体を新規にデザインした。冷蔵庫の下段はビール保管エリアで、上段は冷蔵機能を備えたショーケースとなっている。上段のショーケースは、お気に入りのビールを飾って楽しんだり、ビアグラスを一緒に冷やしたりすることができる。上段のフロントガラスには約6mmの薄さで業界最高クラスの断熱性を有する、パナソニックの真空断熱ガラスを採用。意匠性と高断熱性を両立したとする。
CES 2019のプレビューイベントとなる「CES Unveiled」で披露したDrinkShift専用冷蔵庫の試作機は、外形寸法が幅315×奥行434×高さ783mmで、小型のワインセラーと同等クラスとなる。書斎やリビングに置くことを想定し、冷却方式には静音が特徴のペルチェ方式を採用している。
2018年4月設立のShiftallは、パナソニックの100%子会社であり、パナソニック本体と連携した事業展開は既に幾つか進めている。例えば、パナソニック アプライアンス社のデザインスタジオ「FUTURE LIFE FACTORY」が企画開発した、集中力を高めるウェアラブル端末「WEAR SPACE(ウェアスペース)」などだ※)。
※)関連記事:変わるパナソニックの象徴か、デザインスタジオが商品化に挑む「WEAR SPACE」
その一方で、Shiftallブランドで独自に製品展開する方針も打ち出しており、その第1弾製品は「CES 2019」で披露するとしていた。Shiftallの母体になったCerevoは、小型のAV関連機器を中心に手掛けており、Shiftallの第1弾製品もそうなるという予想があった。しかし今回は“小型の”白物家電を投入することで、その予想を覆したことになる。
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