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肥満を抑制する原因遺伝子として「Ly75」を同定医療技術ニュース

名古屋大学は、肥満を抑制する遺伝子「Ly75(Lymphocyte antigen 75)」を同定した。また、Ly75の遺伝子型とmRNA発現量、白色脂肪組織重量との間には因果関係があることを明らかにした。

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 名古屋大学は2018年12月6日、同大学大学院生命農学研究所 準教授の石川明氏らの研究グループが、肥満を抑制する遺伝子「Ly75(Lymphocyte antigen 75)」を同定したと発表した。

 これまで研究グループでは、免疫系に関わるLy75が、白色脂肪組織重量を減少させること、すなわち肥満抑制のQTL(Quantitative trait loci、量的形質遺伝子座)の最有力候補であることを明らかにしている。

 今回の研究では、Ly75を無効化したマウスを用いて、遺伝解析や遺伝子発現解析を実施。この結果、肥満抑制QTLの原因遺伝子がLy75であることを同定した。

 また、因果分析により、Ly75の遺伝子型とmRNA発現量、白色脂肪組織重量との間には因果関係があることを解明。遺伝子型が変化してmRNA発現量が高くなると、白色脂肪組織重量が減少すること、つまり、肥満が抑制されることを明らかにした。

 肥満は、複数のQTLと環境要因が絡み合って統御される。しかし、個々のQTLが肥満形質に及ぼす効果は小さく、QTLの原因遺伝子を同定することは困難だった。今回、Ly75が同定されたことで、万病の元である肥満克服のためのヒトゲノム医療への応用が期待される。

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肥満に関わる遺伝要因と環境要因(クリックで拡大)出典:名古屋大学
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発現量の増加と脂肪重量減少のグラフ 出典:名古屋大学

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