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世界の空を翔けるホンダの夢、ホンダジェットのエンジン開発モノづくり最前線レポート(1/2 ページ)

航空、宇宙関係の技術を紹介する展示会「国際航空宇宙展2018東京」のセミナーにホンダの航空エンジン事業子会社であるHonda Aero 社長の藁谷篤邦氏が登壇。「ホンダの夢を世界の空に」をテーマとし、ホンダにおけるジェットエンジン開発について講演した。

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 航空、宇宙関係の技術を紹介する展示会「国際航空宇宙展2018東京」(2018年11月28〜30日、東京ビッグサイト)のセミナーにホンダの航空エンジン事業子会社であるHonda Aero 社長の藁谷篤邦氏が登壇。「ホンダの夢を世界の空に」をテーマとし、「ホンダジェット」におけるジェットエンジン開発について講演した。

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HondaJet Elite(クリックで拡大)出典:ホンダ

航空機エンジンの歴史

 航空機は米国ではビジネスを行う上で1930年代から重要なツールとなっている。ホンダのビジネスパートナーであるGEもホンダジェットを2機購入し、米国内で事業所やサプライヤーの訪問に活用しているという。このように世界的なベストセラーとなり、日本でも2018年12月7日に型式証明を取得したばかりの「ホンダジェット」だが、その開発の源流は30年前にさかのぼる。

 ホンダが航空機の機体とエンジンの開発を開始したのは1986年のこととなる。2003年にはホンダジェット試験機の初飛行を行った。その後、エンジンはGEと協業し2013年に型式認定を取得、2015年に製造認定を取得した。現在、エンジンは「このクラスのジェットエンジンとしては、ベストセラーとなった。累積飛行時間は4万3000時間を超えたが、大きなトラブルは発生していない」と藁谷氏は胸を張る。

 航空機のエンジンは、航空機が生まれた時代はガソリンエンジンで、シリンダーにはアルミニウムを使用していた。「この時代からエンジンの軽量化は大きなテーマだった」(藁谷氏)。その後、エンジンは大きく発展して、ジェットエンジンに置き換わり、ターボジェットの開発により、超音速飛行が可能となった。このターボジェットエンジンを積んだ旅客機により、初めて高速移動が一般人も体験できる環境を手に入れた。ターボジェットエンジンは、その後、大型の高バイパスターボファンエンジンに進化する。これで大きく効率が上がりボーイング747のような大型機を飛ばすことが可能となった。

 ジェットエンジンは大きな筒の中心の燃焼器を挟み、前側にコンプレッサー、後ろ側にタービンの羽根を設置。これらが1つの軸につながり、回転するという構造となっている。飛行によって吸い込んだ空気をコンプレッサーとファンで圧縮し、圧力をかけ、燃やしたガスを高温高圧にして大きなエネルギーを生み出す。この一部をタービンで吸収して、コンプレッサー、ファンを駆動する。残ったエネルギーによりファンで圧縮した空気を後ろ側から勢いよく放出し、このスピードの差と空気の重さを掛けた運動量の変化が推力となる。自動車のエンジンと比べて構造は簡単であり、空気を取り入れる制限がないことから、小型でも推力があり、しかも信頼性を高めることも可能となる。「航空機のエンジンとしてジェットエンジンはマッチしている」(藁谷氏)。

シビックに羽根がついているような航空機を

 ホンダの具体的な航空機エンジン開発の歴史は、1986年の基礎技術センターの開設と共にスタートした。その後、エンジンは2004年に、航空機は2006年にそれぞれ事業化が決定した。

 「ホンダジェット」の開発において最初に決まったコンセプトは「個人が購入できる程度の価格」だったという。「居住空間はクルマの『シビック』と同程度の広さで、それに羽根がついているような大きさのイメージだった」と藁谷氏は当時を振り返る。

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