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まだ形状のない設計初期で、設計要件と製造性を考慮した形状を自動生成する技術をCreoでCADニュース(1/2 ページ)

PTCジャパンは2018年12月14日、ジェネレーティブデザイン技術を開発するフラスタムの買収と、CAEベンダーのアンシスとの協業について記者説明会を実施した。

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 PTCジャパンは2018年12月14日、ジェネレーティブデザイン技術を開発するフラスタムの買収と、CAEベンダーのアンシスとの協業について記者説明会を実施した。


PTC OCTO マネージングディレクターのスティーブ・ダーティン氏

 PTCは2018年11月23日に、AI(人工知能)を用いたジェネレーティブデザイン技術を開発するフラスタムを約7000万ドルで買収したと発表。ジェネレーティブデザインとは、ユーザーがあらかじめ設定した設計値や設計空間に応じて自動的に最適な形状を生成する技術である。基になる3D形状から条件に応じて不要な肉をそぎながら形状を自動生成する「トポロジー最適化」とは異なり、ジェネレーティブデザインは形状が存在しない状態から形状を自動生成する。PTC OCTO マネージングディレクターのスティーブ・ダーティン氏は「(次々期製品である)『Creo 7.0』から、その機能を少しずつ実装していく予定」と説明した。

 フラスタムの技術は、データベースにある生産や設計の技術情報とAIを連携させられることが特色だ。例えば、積層造形や成形などの任意の加工工程に応じた形状を自動生成できる。フラスタムの技術は、部品の形状が決まる前である、設計プロセス初期で使うことを想定している。設計初期の時点で、ユーザーの定める設計空間や条件と併せて製造性まで考慮し、人の頭ではなかなか想像できない形状が生成できることが利点となる。

 「従来のフラスタムのユーザーであるスタンレー・ブラック&デッカー(米国の工具メーカー)では、この技術を用いて、通常数カ月かかっていた設計プロジェクトが数日程度に短縮した」(ダーティン氏)。

 発表会当日のデモンストレーションでは鋳造と積層造形(付加製造)の例を示した。製造条件だけではなく、シャフト用の穴や、部品設置面などを考慮して形状生成できる。

設計空間や条件を指定すると、AIが形状を自動生成する。


鋳造の例

積層造形の例:ラティス(格子)形状が生成されている

 今後の開発で樹脂などの金属以外の材料や、さまざまな加工工程に対応していくとしている。加工条件だけではなく、さまざまな設計条件もデータとして扱えるようになる。具体的に、これからのCreoにどのような機能を組み込んでいくかは、今後、少しずつPTCから発表していく予定だ。「形状生成の条件としては、さまざまな物理現象を取り入れられる可能性があり、例えば熱流体解析の結果を組み込むなどもあり得るだろう」(ダーティン氏)。

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