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独立の原則を頭に入れて測定したり、アセンブリーを設計したりする3D設計推進者の眼(35)(2/5 ページ)

機械メーカーで3D CAD運用や公差設計/解析を推進する筆者から見た製造業やメカ設計の現場とは。今回は具体的にデータムとは何により決められているのかを説明する。

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アセンブリーでの例題

 これまで、公差計算・公差解析の私の話では、寸法(サイズ)公差のみを取り扱ってきました。以降は、以下のようなアセンブリーを例にして、幾何公差による公差計算・公差解析への影響を考えてみましょう。


例1:アセンブリーモデル、不等角投影で表示

アセンブリーモデル、右側面で表示

 3つの部品A,B,Cから構成されるアセンブリーです。管理したい寸法は、上図の赤丸で囲まれた隙間の寸法25[mm]となります。3つの部品A,B,Cは次のような寸法(サイズ)公差と幾何公差をしますが、ここでは、幾何公差の影響をシンプルに見るために、部品Bのみ幾何公差を設定します。


部品A

部品B


部品C

 部品Bには、幾何公差として平行度0.1が設定されています。部品Bは、部品Aとの設置面をデータムCとしており、もう一方の部品Cの設置面に対してこの平行度0.1が設定されていることになります。

 言い換えると、部品Bの上面(部品Bの部品Cの設置面)は、「独立の原則」から、寸法は、24.9[mm]から25.1[mm]の間でバラツキがあることと、その平行度公差域は0.1以内ということになります。


寸法(サイズ)公差値と幾何公差値のイメージ

 幾何公差の公差計算を考える時は、「平均的に部品の上面がある位置」を考えると私の先生であるプラーナーより教わっています。このことから、最も幾何公差範囲を満たすような形状となった場合(=最も形状の差異を生じていた場合)の設置面下図のような“傾き”を考えることができます。


部品Bの部品C設置面(10倍表示)


傾き量の拡大

 端面から10mmの傾き量が0.05[mm]であったとき、端面から100[mm]の傾き量X[mm]はどうなるでしょうか。

10:90=0/05:X X=0.05×(90/10)=0.45[mm]

 という簡単な計算で求めることができました。

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