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水系電解液で安全性向上、ヘルスケアパッチ向け使い捨て電池を開発:医療機器ニュース
マクセルは、医療やヘルスケアパッチに適した薄型のディスポーザブル電池「Air Patch Battery」を開発した。人体や廃棄後の環境への影響を考慮し、従来の電池で使われていた材料を使用せず、安全性を高めた。
マクセルは2018年11月8日、医療やヘルスケアパッチに適した薄型のディスポーザブル電池「Air Patch Battery(エアーパッチバッテリー)」を発表した。人体や廃棄後の環境への影響を考慮し、従来の電池で使われていた材料を使用せず、安全性を高めた。量産は2020年を予定する。
現在の医療、ヘルスケアパッチは、電池の材料に酸化マンガン、リチウム、水酸化カリウム(強アルカリ)、有機溶剤などの有害物や危険物を含んでいる。そのため、電池内部の材料が外部へ漏れ出た際の人体への影響や、廃棄した際の環境への影響が懸念されている。
Air Patch Batteryは、これらの材料を使用せず、水系電解液などを採用。また、材料を改良したことで、従来の水溶液系電解液を用いたラミネート電池に比べてエネルギー密度を2倍以上に高めた。外装には、1mm以下の薄型で、フレキシブル性を持つラミネート素材を採用。人体にパッチを貼り付けても違和感が少なく、1回使用ごとに廃棄できるため、衛生的だ。
公称電圧は1.2Vで、標準放電電流は0.1〜2mA。同社は今後、医療、ヘルスケア市場にAir Patch Batteryを提案したいとしている。
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